特定外来種について1

 

生物多様性の保全と、地域農業の持続的な発展は、千葉市にとって大きな課題です。

その両方を脅かすリスクの一つが、特定外来生物をはじめとする侵略的外来種です。

既にアライグマやハクビシンによる農作物・家屋被害、そして水路を塞ぐ外来水生植物による通水障害など、市民生活と農業経営への影響があらわれています。

動物の被害対応についてはすでに対策が始まっていると理解しており、本日は、「早期発見・早期対応」の徹底のため、植物について、市の外来種対策について質問いたします。

1.県市間の役割分担と千葉市の責務について

特定外来生物対策の多くは県が主体ですが、基礎自治体としての市の役割と責任を明確にしたいと思います。

特定外来生物対策は、外来生物法に基づき、県が防除実施計画を策定し、管理主体となっています。

しかし、市の区域内で被害が発生し、市民が対応を迫られる以上、千葉市の責務も重要です。

そこで伺います。

訪問看護ステーション数の推移は<グラフ>の通り増加傾向ではありますが、

質問1-1

植物に係る特定外来生物対策における県と市の具体的な役割分担について、市はどのように整理していますか。

 

答弁 

 (環境局環境保全部環境保全課)
県は、特定外来生物としての植物による生活被害や農作物被害の防止のために必要な対策を行っており、市は、市域における特定外来生物に係る市民への情報提供や土地管理者への注意喚起など、県と連携して対応しております。

訪問看護ステーション数の推移は<グラフ>の通り増加傾向ではありますが、

質問1-2

市として現在、その責務を十分に果たせているという認識でしょうか。ご見解を伺います。

 

答弁 

  (環境局環境保全部環境保全課)
特定外来生物は繁殖力が非常に強く、一度定着すると駆除が困難であり、生態系や農業へ悪影響を与えるおそれがあるため、特定外来生物に関する情報提供や注意喚起を行ってきたところです。
しかしながら、依然として特定外来生物が市域で確認されていることから、引き続き、県と連携して対応していく必要があると認識しております。

繁殖力が強く、定着すると困難であるため、通報があった際の対応が重要です。
今後も広がることの無いよう的確な対応を求めます。

 

2.農業影響の大きい外来種の把握について

 具体的な把握状況について伺います。

外来種対策の鉄則は「侵入させない」「広げない」「定着したら早期に駆除する」の3原則です。特に定着初期の「早期発見」こそが、多大な費用と労力を要する対策を回避する鍵となります。

スライド1
スライド1

<スライド1>は特定外来生物ナガエツルノゲイトウなどの印旛沼・手賀沼の被害状況について県のHP上に掲載されていたものです。

スライド2
スライド2

<スライド2>こちらは県が作成した農業者向けの啓発及び対策チラシです。

質問1-3

 

 

答弁 

(環境局環境保全部環境保全課)
(経済農政局農政部農業生産振興課)
(経済農政局農政部農政課)
ナガエツルノゲイトウについては、令和6年度に県が実施した現地調査結果によると、花見川の一部において定着が確認されており、それ以外の水生植物については、侵入・定着の状況は明らかになっておりません。 また、市内の農業用水路や農地において、現在のところ定着は確認されておりません。

質問1-4

市内の農業者は、これらの外来種の現状を十分に把握し、対策に取り組めているという認識でしょうか。

 

答弁 

(経済農政局農政部農業生産振興課)
(経済農政局農政部農政課)
農政センターにおいて、ナガエツルノゲイトウの判別方法や駆除方法について記載した注意喚起のリーフレットを市内の農業者向けに配布しているほか、地域の農業用排水路等での除草作業に活用できる補助金として、国の多面的機能支払交付金の活用を推進しているところです。 早期発見、早期駆除が行えるよう、引き続き、現状の把握や県及び農業者との情報共有に努めて参ります。

外来種であるナガエツルノゲイトウが花見川で繁茂し、駆除した事実などを花見川沿いに掲示するなど、県と協議をしてもよいのではないでしょうか。
花見川での駆除作業時も特に県から連絡などないようですが、連携できているとは思えず、市民周知がたりないことを懸念します。

 

3.市民への普及啓発等による対策強化について

 市の既存の計画と取り組みを活かし、受け身の対応から積極的な発見体制への転換を提案します。

「千葉市水環境・生物多様性保全計画」では、特定外来生物対策として普及啓発が掲げられています。

しかし、駆除などの対策は「確認された場合に、関係機関と対応」という記載にとどまり、積極的に発見する姿勢ではありません。
そこで、

質問1-5

市民や事業者に対する特定外来生物に関するこれまでの普及啓発の実績と、その効果お今後について伺います。

 

答弁 

(環境局環境保全部環境保全課)
市ホームページや市政だよりで情報提供や注意喚起を行っております。 毎年実施しているウェブアンケートにおいて、特定外来生物対策を含め、生物多様性について理解している市民の割合は、直近3年間において約55%で横ばいとなっており、今後も継続的な普及啓発が必要であると認識しております。

スライド3
スライド3

<スライド3>は今年度県が取り組んだ「みんなでつくろう、ちば外来水生植物マップ」のチラシです。バイオームといういきものコレクションアプリを活用した参加型で情報収集するものですが、千葉市では同じアプリを使った「身近な生き物探し」イベントを行っています。

質問1-6

昭和の森公園や大草谷津田いきものの里といった田んぼのある公園での環境イベントや親子参加型のイベントと連携し、これらのアプリやマップを活用して、市民を「外来種の地域のウォッチャー」として位置づけることも可能と考えますが、見解を伺います。

 

答弁 

(環境局環境保全部環境保全課) アプリ等の活用も含め、引き続き、県と連携し、特定外来生物に関する市民の皆様の理解促進に努めて参ります。


全般的に周知の手段が窓口に置くといった、対象者へ効果的に届くように考えられていない手段と感じてしまいます。 「後手の対応」ではなく、「市民との協働による積極的な発見体制」の構築が重要です。
アライグマなどのように被害が拡大しないよう、早期の的確な対応を求めます。

一時預かりとだれでも通園制度について2

 

現在、本市の子育て支援施策としての【預かり】は、来年度から国の給付事業となる「こども誰でも通園制度」と、自治体の任意事業である「一時預かり事業」があり、市民からは「目的や利用方法の違いがわかりにくい」との声が上がっています。

 

1.制度の「見える化(情報の一元化)」について

 この状況は、単なる周知不足ではなく、財源・法的根拠が異なるふたつの制度が混在する構造的な問題ではありますが、制度の目的や効果は表向き違っても、市民が自身に最適なサービスを選べることが重要です。ウェブサイトなどで利用目的、対象、時間、金額、申込方法などを一覧で比較できる情報ページを望む声があります。サービス提供側の施設にとっても、自身の施設以外での実施内容を利用者に説明できず、それゆえに混乱が大きくなると考えます。

質問2-1

今後のウェブサイトなどでの一覧作成についてご見解を伺います。

 

答弁 

(こども未来局幼児教育・保育部幼保支援課/幼保運営課)  これまで市のホームページなどにより、それぞれの制度内容の周知は行ってきたところですが、利用者から制度の違いが分かりにくいなどといった声が寄せられていることから、それぞれのご家庭の状況に合わせて利用可能なサービスを比較し、最適なサービスが選択できるよう、周知の方法等については、今後研究を進めて参ります。


今後の改善に期待します。

質問2-2

こども未来局が実施している「どこでもこどもカフェ」や「プレーパーク」などのこどもたちの居場所では、不登校の子どもたちの居場所としての役割も担っているケースがあります。こどもたちの居場所において不登校児童生徒をどのように把握し、対応されているかお答えください。

 

答弁 

(こども未来局こども未来部子ども企画課)

「どこでもこどもカフェ」や「プレーパーク」などのこどもの居場所においては、こどもそれぞれの主体性を尊重しながら、一緒に過ごす時間を重ねる中で、こどもから自然に悩みや困り事を話してもらえる関係性が徐々に築かれていき、その過程を通じて、不登校をはじめ、支援や見守りが必要とするこどもの状況を把握することができると聞いております。 このような場合においては、必要に応じて、こどもの抱える悩みや不安の解消に向けて、学校や支援機関と連携を図ることとしております。

 

2.利用者の利便性向上とシステム導入について

スライド4
スライド4

一時預かり事業は、<スライド4>の通り、コロナ禍以前より利用者は減っておりますが、断られている人数は市が把握している限りにおいては3000件~5000件と伺っており、ニーズが満たされていません。
また、空き状況の確認や予約手続きが煩雑なために、困難を抱えた子育て家庭ほど、利用をあきらめるなど、本当に支援が必要な家庭への子育て支援になっていません。
この状況を改善するため、一時預かり事業におけるウェブでの空き状況確認・予約システムの導入が必要です。

質問2-3

市独自の予算で導入計画を策定する考えはありますか?

 

答弁 

(こども未来局幼児教育・保育部幼保運営課)
一時預かりを利用できる施設や各施設の受入れ状況等を市ホームページに掲載するとともに、本年11月からは区名や町丁名から実施施設を検索できるようにするなど、保護者の利便性向上に努めているところですが、多くの施設において、空き状況の確認や予約方法が電話のみであり、利用できる施設を見つけることについて、保護者にご負担をおかけしていることは認識しております。
しかしながら、市独自で予約システム等の導入計画を策定することについては、国が進める保育DXにおいて、一時預かり事業の対応も検討対象に含まれていることから、その動向を見極めながら、実施の是非を考えていく必要がある状況ではありますが、引き続き、保護者の利便性の向上に努めて参ります。

一時預かりで救われる家庭がどれほどたくさんいるでしょう。
国の動向を見極めるとのことですが、より効果的な活用のためには、時代に合ったWEB申し込みの導入は必須と考えます。早急な導入を求めます。


こども誰でも通園制度についても「事前登録や予約手続が大変」という意見があります。

質問2-4

市民の利便性を最優先するため、施設検索から予約までの一連の手続きを簡素化する必要があると考えますが、見解を伺います

 

答弁 

(こども未来局幼児教育・保育部幼保支援課)  
本市では、令和8年度から、スマートフォン等を通じた施設検索や利用予約等のほか、利用可能時間の管理ができる、国の「こども誰でも通園制度総合支援システム」を導入する予定であり、利用者の利便性向上を図って参ります。

これまでの来園又は電話での受付から大きく利便性が向上することが期待されます。
事業者への導入支援をしっかりとお願いいたします。

 

3.両施策の今後について

もともと一時預かりの需要に供給が追い付いていないという課題のある中で、新たなこども誰でも通園制度が開始され、保育事業者も保護者にも混乱があるように思います。

スライド5
スライド5

一時預かりとこども誰でも通園制度の実施数は、各区<スライド5>のとおりで、特にこども誰でも通園制度は限られた園で行われております。こども誰でも通園制度は給付事業、一時預かり事業は任意事業と、法的・財政的性格が異なりますが、今後の見通しについて伺います。

 

質問2-4

始めに、財源について、国と県の補助率をそれぞれお聞かせください。

 

答弁 

(こども未来局幼児教育・保育部幼保支援課/幼保運営課)  
まず、一時預かり事業の運営にかかる補助については、事業費に対する国・県・市の負担割合は、3分の1ずつとなっております。 次に、こども誰でも通園制度の運営にかかる補助については、令和7年度においては、事業費に対して国が4分の3、市は4分の1であり、給付制度が導入される令和8年度以降は、国が4分の3、県が8分の1、市が8分の1となる予定でございます。

質問2-5

こども誰でも通園制度は国による給付事業となり、国による統一したシステム導入も予定され、市負担割合からも優位と感じる状況ですが実態はどうか?また課題についてもお示しください。

 

答弁 

(こども未来局幼児教育・保育部幼保支援課/幼保運営課)  
こども誰でも通園制度の方が、市の負担割合からみれば、優位に見えますが、こども誰でも通園制度は、月の利用時間や利用年齢に制限があることから、従前から実施している一時預かりの利用ニーズには十分対応することが難しい状況であるため、 現状としましては、両事業の特性を活かしながら、多様なニーズに対応していかなければならないと考えております。
こうしたことから、利用する家庭のニーズに合わせて、最適なサービスが選択できるよう、情報の周知については、今後研究を進めて参ります。

市は、両制度の特性を最大限に活かし、システム化、受皿の拡充といった課題を解決するために次期予算編成をバランスよく配分して利用者の利便性向上を目指す必要があります。
また、だれでも通園制度は利用ニーズに合わない部分があることや、保育を運営する事業者にとって見合わない単価であるため、今後実施園を増やすのは相当に難しいことは、より良い制度設計に向けて、国へ要望していただくことを求めておきます。

質問2-6

保育士不足はすべての保育現場での課題であり、特に一時的な預かり保育は不特定の子どもたちへの対応となり保育士の負担が大きいことが指摘されています。
保育士の定着と質の維持向上を図るため、現行の千葉市手当の増額に加え、両制度の枠組みを超えた新たな加算手当の創設や、専門性の向上に資する研修など、人材への更なる支援を行う考えはありますか。

 

答弁 

(こども未来局幼児教育・保育部幼保支援課/幼保運営課/幼保指導課)
一時預かり事業やこども誰でも通園制度は、持続的に事業運営できるような財政措置が十分にされておらず、両事業を担う保育士確保を含めて、十分な財政措置がなされるよう引き続き、国に求めて参ります。
また、実施事業を通じて得られた知見等を、定期的な巡回指導時に助言することで、一時預かり事業やこども誰でも通園制度に従事する保育士が安心して業務に取り組めるよう支援するとともに、保育の質の向上に努めて参ります。
 要 望
 保育現場の疲弊を防ぐため、一時預かり等の負担に見合う市独自の加算手当の創設や研修の充実をご検討ください。
現場のニーズを的確にとらえ、できる限りの支援を要望します。

病児・病後児保育について3

 

1.利用実績と課題認識

 

  働く親にとって子どもの急な発病時のサポート不足は、依然として大きな課題です。
<スライド6>は病児・病後児保育の利用実績と利用希望を断った件数のここ3年間の推移です。

スライド6
スライド6

質問3-1

市は利用実績と断り件数についてどのように認識しているでしょうか

 

答弁 

(こども未来局幼児教育・保育部幼保支援課)  利用者については、新型コロナウィルス流行前の年間6,000人程度の水準には至っていないものの増加傾向にあり、断り件数も感染症流行期を中心に1,000人を超える状況が続いております。 また、令和4年度に実施したニーズ調査の結果からも、需要が供給を上回る状況が確認されたことから、さらなる受け皿の確保が必要であると認識しております。

2.保育所・こども園等併設型の導入について

 

需要に対し供給が足りない状況の中、ニーズに応えることは急務であり、医療機関併設型が中心の本市においては、保育所・こども園等併設型での実施検討が必要です。

今後、保育園において利用枠に余剰が生じる可能性があります。

その余剰施設やスペースを病児・病後児保育に転換する事業を市が積極的に誘導・支援すべきではないでしょうか。

質問3-2

保育所併設型を検討、推進することについて、ご見解を伺います。

 

答弁 

(こども未来局幼児教育・保育部幼保支援課)
本市では、病児・病後児保育中に児童の容体が急変した際の迅速かつ適切な対応を含め、児童の生命・安全を最優先に考え、医療機関に併設する形態に限定して病児・病後児保育を実施しております。
保育所併設型によって同等の安全性を担保することは難しいと考えておりますが、保育所併設型の安全性や運営実態ついては、他自治体における事例等を調査・研究して参りたいと考えております。

 

3.病後児保育のあるべき姿について

容体が安定した病後児に特化した事業を千葉市では展開しておりません
オンライン診療の普及を背景に、安全性の担保も考慮して保育園に併設された施設でケアを受けられるようにすることが、「こどもまんなか」で考えた場合にあるべき姿と考えます。
まずは、看護師が配置されている園で、保育室の確保が可能な園に限られると思いますが、

質問3-3

今後、千葉市でも病後児対応を推進することについての見解を伺います

 

答弁 

(こども未来局幼児教育・保育部幼保支援課)
本市では、病後児においても、児童の生命・安全を最優先とし、医療機関併設型により、事業を実施していることから、保育園等において、病後児保育に限定した事業を実施する考えはありませんが、他都市の事例を研究して参ります。
スライド7
スライド7

<スライド7>は政令市の実施状況をまとめたものです。

  • 【医療併設のみ】なのは千葉市を含めて6市、
  • 【保育園等併設型の病児保育】を行っているのが5市、
  • 【病後児に限って保育園等併設型】を行っているのが5市

あります。
千葉県内も調べましたが、77件のうち39件が保育併設で、うち26件は病後児対応型となっています。

生命・安全が最優先はもちろんですが、こどもが安心を感じるのはどのような状況か、本当の「こどもまんなか」は何なのか、改めて問い直したいと思います。

病児病後児保育の需要は満たされていない状況が続いています。

保育所併設型や単独施設など新たな分類での設置が親子のニーズを満たす可能性があります。

検討を見守りたいと思います。

 

4.システム化による利便性の向上

保護者の負担を軽減するためには、情報のデジタル化が不可欠です。
病児・病後児保育施設の空き状況、所在地、対応年齢などをリアルタイムで確認できる情報提供体制を速やかに構築すべきではないでしょうか。

併せて、オンライン予約システムを導入し、ただでさえゆとりのない病児病後児を抱える状況においての利便性向上が必要です。
以前、あずかるこちゃんの導入事例が議会でも示されておりましたが、政令市20市の状況を確認したところ、札幌市、静岡市、神戸市、北九州市で導入が始まっております。

質問3-2

市としてのデジタル化に向けた見通しと、そのための制度化に対する障壁などあれば合わせてお示しください。

 

答弁 

(こども未来局幼児教育・保育部幼保支援課)  
オンライン予約システムの導入については、利用者の利便性の向上や施設職員の事務負担の軽減に寄与し得るものと考えておりますが、その効果を十分に発揮するためには、市内の全ての施設が一律に導入することが重要であると認識しております。
導入について、実施施設との意見交換を行ったところ、併設した医療機関で導入しているシステムとすでに一体的に利用していることや、これまでの予約手法を大きく変えることによる現場の混乱や負担への懸念から、各施設が用いている手法を継続したいなどの意見も上がっており、現時点では、一律の導入は難しいものと考えております。
今後は、他市の導入事例を調査・研究するとともに、各施設が抱える課題解決に向け、施設との意見交換を継続して参ります。
 要 望
病児・病後児保育は、公的な責任として支援を強化し、市民のニーズに応えるべきインフラです。
もちろん、子どもの病気の時には仕事を休める社会づくりが一番ですが、病児病後児保育においては、保育所併設型の推進、そしてシステムの充実は、働く親の離職を防ぎ、子どもの心身の安定を守るという行政の責務です。
今後の具体的な施策の展開を強く求めます。

学校における働き方改革について4

 

教員の長時間過密労働は、もはや教育の質の維持すら危ぶまれる喫緊の課題です。
本市でも多岐にわたる改革が進められていますが、依然として「過酷な職場」というイメージは払拭されていません。

ここで強調したいのは、教員の労働環境は、言い換えれば【子どもの学習環境】であるという点です。疲弊し余裕のない教員が、子どもたち一人ひとりに寄り添い、創造的な教育を提供することは困難です。私たちが目指すのは、教員が精神的な余裕と情熱を持ち、個性豊かな子ども達の自己実現を全力で支援できる、魅力あふれる学校を再構築することです。

そこで、教員の健康管理と業務負荷低減にかかる質問をいたします。

 

1.教員の休憩について

 

(1) 法定休憩時間の確保について

 労働基準法により、全ての労働者は勤務時間が8時間を超える場合、最低1時間の休憩時間が保障されています。教員も公務員としてこの適用を受けるはずです。
しかし、現状、子どもたちが学校にいるため、教員は職務から離れられず、実質的に休憩を取れていないという実態があります。

質問4-1

教育委員会として、現在の教員の休憩時間の取得に対して、労働基準法の趣旨に照らして適切であるかのご見解を伺います。また、休憩を適切にとるための対応をお示しください。

 

答弁 

(教育委員会教育総務部教育給与課)
教員の休憩時間については、労働基準法の規定に基づき、1日あたり45分としています。各学校において、実情に応じて取得する時間帯を決定しており、いずれも適切な休憩時間が確保されるよう努めております。
なお、労使協定に基づき、一斉付与の原則を適用除外とするとともに、令和5年10月から、休憩時間の弾力的な取得について通知し、状況に応じて休憩時間の変更や分割を可能とするなど、休憩時間をより確保しやすい体制を整えております。

質問3-4

教員が職場を離れて休憩を取ることが原則として許されているという認識で間違いないでしょうか?
実際に休憩の間は児童生徒から離れ、休憩時間を確保されているかの確認は誰が行うのか、伺います。

 

答弁 

(教育委員会教育総務部教育給与課)
休憩時間については、自由利用の原則を踏まえ、校長等の管理職へ報告したうえで、職場を離れて休憩することも認められています。
また、休憩時間の確保については、校長等の管理職が、適切に管理しているものと認識しております。
 要 望
教育委員会は、休憩時間が労基法に基づき適切に確保され、管理職が管理しているとのご認識を示されました。また、職場を離れることも認められているとのことです。
しかし、現場の実態は、休憩時間とされている時間に児童生徒の見守りが生じ、実質的に職務から離れられず、法定の休憩時間は確保できていないのが現実です。

「適切な休憩」が管理されている、とは机上の空論で、実質的には労働時間です。
ある自治体では、教育長が「自治体単独では対応しきれない構造的な問題であり、教職員定数の改善が不可欠」と答弁し、現状を正面から認めました。
千葉市においても、「教員の自立性を尊重」という建前で、長時間過密労働を容認し続けることはできません。教員が安心して休憩できる環境は、教員を増やすという構造的な改善なくしては実現不可能です。

教育委員会が、この「長時間過密労働」という構造的な課題に正面から向き合い、国に対し教職員定数の改善を強く求めていくことを要望します。

 

(2) 休憩時間確保に向けた具体的な人員配置について

休憩時間を教員に確実に保障するためには、スクール・サポート・スタッフなどの外部人材を増やし、教員が輪番制で休憩を取る環境を構築する必要があります。

質問3-5

教員一人あたりの業務量を削減するために、外部人材の確保や様々な手段を使っての教員配置の拡充が求められています。ご見解を伺います。

 

答弁 

(教育委員会教育総務部教育職員課)
小学校においては、全校配置している音楽専科に加え、英語・理科・算数等の専科教員を配置しており、担任の授業時間数が軽減されているものと考えております。
また、部活動指導員、スクール・サポート・スタッフ、スクールソーシャルワーカーなど、今年度においては1,000人を超える支援スタッフを配置し、教員の業務負担の軽減に努めております。
今後も、こうした取組みを着実かつ効果的に進め、学校における働き方改革に取り組んで参ります。

スクール・サポート・スタッフは、教員の負担軽減に極めて有効であると認識しています。
現状は原則全校配置を堅持していくとの認識ですが、大規模校においては、1名のSSSでは負担軽減の効果は限定的です。大規模校への複数配置を求めます。
また、現在のひっ迫した財政状況では、教育予算内での増員は望めません。人員増員のために、来年度予算編成への十分な配慮を求めます。

 

2.学校運営上の業務削減について

 

苦情処理等の低減

教員の時間を奪っている細かい雑務や保護者・地域との連絡調整にかかる時間を短縮するため、18時以降の学校連絡を自動応答に切り替えることや、保護者との連絡ツールである【すぐーる】の活用などで効果を得ていると了解しています。
千葉県では、県立学校への連絡を一元化し、各校の代表電話の公開を取りやめるなど、地域からの連絡による苦情処理等の低減が進められています。

質問3-6

本市でも同様の仕組みを取り入れる予定があるか、お伺いします。

 

答弁 

(教育委員会教育総務部教育職員課)
(教育委員会学校教育部学事課)
苦情処理に限らず、様々な相談については、まずは具体的な事情を熟知している学校で受け付けております。また、対応が困難な場合は、教育委員会の関係課等が学校と連携し、対応しているところです。
学校が地元地域や保護者との信頼関係を築くことが肝要であると認識しており、現段階で各市立学校の代表電話の公開を取りやめるなど、学校への連絡を一元化することについては考えておりません。
しかしながら、各学校における教職員の負担軽減を図ることは重要であると認識しており、引き続き、これまでの取組みに加え、改編した「学校における働き方改革プラン」に基づき、実効性のある取組みを推進して参ります。

保護者や地域が学校に求める過剰な要望や苦情などの対応については、今後私自身もさらに研究していきますが、学校ごとの個別対応ではなく、例えば18時からの自動応答を17時に前倒すなど、さらなる負荷低減のため全体の仕組みとして対応できるよう対策を求めます。

 

3.行事の廃止について

 

最新の『学校における働き方改革プラン』の策定のために行われたアンケートでは、抜本的な改革がされていないとの声も多いです。
業務は増えるばかりでやめることが議論されていないのではないでしょうか。

スライド8
スライド8

<スライド8>は見直しを進めて欲しい行事に関する教員へのアンケート調査結果です。 小学校では、ともしび・本棚、球技大会、表現運動発表会、陸上大会、総合展、音楽発表会、絵をかく会と続きます。

(1) 小学校における「選抜型」大会の廃止について 

質問3-6

教員の精神的・指導的負担が大きい「選抜」作業を伴う行事を見直してはいかがでしょうか。

 

答弁 

(教育委員会学校教育部保健体育課)
小学校各種体育大会の趣旨としましては、
  • 「学校体育の発表の場として、児童の運動へのかかわりを深めながら、運動により親しませること」
  • 「他校との体育活動の交流を通して、心身の健全な発達と児童相互の望ましい人間関係の育成を図ること」
としており、各大会に向けた活動を通して、参加児童一人一人の目標に向けた取組から、国が目指す「する、みる、支える、知る」といった運動との多様な関わり方や、千葉市の目指すべき「未来を切り拓くことのできる健やかな子どもの育成」の実現に向けて実施しております。

また、昨年度、各学校の管理職及び教諭など、現場の教職員等を委員とした「小学校各種体育大会検討委員会」を立ち上げ、年間を通して各大会の方向性について検討を行って参りました。  その結果を踏まえ、
  • 大会に向けた練習を原則勤務時間内にすること
  • 大会当日の応援はオンラインで行うこと
  • 運営ボランティアや審判員等に大学生や地域人材を活用できるようにすること
など、教職員の負担軽減策等を講じて参りました。
引き続き、更なる負担軽減を含め、持続可能でよりよい大会の在り方について検討して参ります。
 要 望
  大会の趣旨は全く否定するものではありません。
すべての行事は、教育的意義をもって、熱心に取り組まれていることは、重々承知しています。
一方で、選ばれて活躍する児童はクラブチーム等に所属しているこどもも多く、学校教育で行う選抜大会の必要性が薄れていると感じます。

大会を心から楽しんでいる児童、保護者も多いです。私自身も保護者として、こどもたちと行事を楽しんできました。
一方、このような大会に意義を見出さない家庭や教員のご意見も伺います。

大会に向けた準備などの時間や精神的負担により、先生たちの心身のゆとりや、日常的なすべての子どもたちとの対話の時間が奪われてはいないでしょうか。
通常の授業の中で行う、クラス対抗の球技大会などでは、その教育的意義ははたせないでしょうか。

増え続ける業務に歯止めをかけるためには、決断が必要です。
廃止に向けた検討を進め、英断いただくこと、強く要望します。
(2) 個人作品提出における学校選別廃止について

書道や詩文集「ともしび・本棚」、絵を描く会など、個人の提出作品を対象とする公募において、学校が一旦作品を収集し、そこから提出作品を選別・選出することも、教員の負担です。
さらに、選抜された児童生徒の本来の姿で評価されるのではなく、指導という名の書き直し等により、本来のこどもたちの力ではない作品で提出され、学校対抗となっている実態もあると聞いています。

指導は、すべての子どもたちへ、通常の授業内で発揮されるべきであり、一部の選ばれた児童生徒への当事者にとって、不本意な書き直しとなるものではないはずです。
選ばれる基準が不明確など、保護者からのクレームにつながるなど、余分な業務を生むきっかけにもなります。

質問3-7

今後は、個人で公募に応募するものについては、学校を通さず、提出したい児童生徒が直接主催者に提出できる仕組みを原則とすることで、学校選別を完全に無くすことを提案いたします。ご見解を伺います。

 

答弁 

(教育委員会学校教育部教育指導課)
書道や詩文集「ともしび・本だな」、絵を描く会等の学校を介して申し込む作品については、本市の児童生徒が自分の思いや考えを表現すること、友達の作品を鑑賞することを通して、心豊かに生きる力を広げ、伸ばしていくことをねらいとしております。
この取組は、児童生徒の学習の機会を確保することと、学校として育てたい力を計画的に育成すること、そして、児童生徒一人一人の成長を把握する目的があり、一定の教育的効果があると認識しております。
しかし、作品出品への指導支援等による現場の負担も認識しており、出品を任意としたり、学校ごとの出品数や作品の文量を軽減したりするなど見直しを図っているところです。
現時点では、学校選別を完全に無くすことは考えていませんが、引き続き、教育的効果を鑑みながら、学校現場での現状を聞き入れていくとともに、業務負担の軽減につながる手立てについて検討して参ります。

授業での「ともしび・本棚」「絵を描く会」への作品作りを廃止せよとは言っていません。表現する作品づくりや、互いの作品の鑑賞を辞めるのではなく、授業内でぜひはぐくんでいただきたいです。
何度もお伝えしますが、選抜することに対する教育的効果が本当にあるのか、という点です。
個別の丁寧な指導と、協働的な学びの一環としての相互鑑賞など、取り組みは授業内で行っていただき、選抜する時間、選抜された者にのみ指導する時間、その公平さが担保できないためにおこる保護者からのクレーム対応など、本来の教育的効果ではない状況もあることを受け止め、こども本人の希望による出品、選抜は各学校とは関係なく、主催団体として担えばよいのではないでしょうか。

(3) 改革の意思決定における透明性の確保

学校現場からは、「改革の意思決定プロセスがわかりにくい」という声が寄せられています。せっかく業務削減に関する提案がなされても、結果が十分に伝わらない場合、教職員のみなさんの前向きな気持ちに影響します。

質問3-7

今後、改革をより効果的に進めていくためにも、業務削減や運営方法の変更などの見直しに関する検討、意思決定の過程や決定内容を全ての教員に同様に情報を公開し、透明化することが重要です。ご見解を伺います。

 

答弁 

(教育委員会学校教育部教育指導課)  
各行事等については、校長会や各行事等の運営主体となる各教科主任会が中心となり、現場の意見を広く取り入れ検討をしております。そこで現状を分析するとともに、成果や課題を把握します。
要望事項については、担当課と連携し次年度の行事等の在り方について協議しています。
今後も、児童生徒への教育効果や教職員の業務削減を視野に入れながら絶えず各行事等の見直しを図るとともに、会議等での適切な情報共有により、教職員への周知に努めて参ります。
 要 望
  決まったことは、保護者や地域、関係団体にも伝える必要があります。
どこで、どんな議論がなされ決定したのか、説明を各学校にゆだねるのではなく、教育委員会全体として周知をしてください。

これまで、やり方を変えてでも、残す方向の議論しかしていません。
他自治体では廃止されつつある表現体操大会や球技大会などは、千葉市でも廃止の検討を始める時期だと強く申し上げます。

 

4.時間外勤務について

 

(1) 強制消灯による業務内容の可視化

教員の長時間勤務の背景には、「子供たちのため」という善意に基づく自主的な残業が多く、これが時間外勤務の歯止めを難しくしています。

この「善意による残業」に歯止めをかけるため、私は、19時などを消灯時間と定め、その後の業務を原則禁止とする「強制消灯」の導入を提案します。

 

また、強制消灯後に残業が必要となる真にやむを得ない業務は申告制とし、業務内容と時間を記録することを徹底するべきです。

この申告記録を集積・分析することで、消灯後に発生する業務の中身を正確に把握し、業務改善と削減の具体的な対策を検討していくべきだと考えます。

質問3-8

この強制消灯の導入と、それによる業務内容の把握、対策検討について、教育委員会の見解と今後の取り組みをお伺いします。

 

答弁 

(教育委員会教育総務部教育給与課/教育職員課)
教員の業務については、教員自身の自発性や創造性に委ねる部分が大きく、専門職としての自立性を尊重することが必要であり、さらに、日々の申告に伴う教員の負担増も踏まえると、申告制や強制消灯による厳格な勤務時間管理の導入については、慎重に判断することが適当と考えます。
今後も、働き方改革プランを基に、学校及び教員の業務の見直しなど、時間外在校等時間の縮減を進めるとともに、出退勤管理システムの適正な運用を呼びかけることなど、学校における働き方改革を着実に推進して参ります。

私は、この「自立性の尊重」という姿勢こそが、法定の休憩時間さえ確保できず、多くの教員が残業することが当たり前という構造を温存しているのだと考えます。
申告に伴う負担増を懸念するよりも、消灯後に残らざるを得ない真に必要な業務を可視化することこそが、業務改善の第一歩ではないでしょうか。

 要 望
 今回の働き方改革に関する一連の議論を通じて、私は、教員の労働環境がもはや限界に達しており、法定の休憩時間さえ安心して取れないという、これ以上見過ごせない状況にあることを強く指摘させていただきました。
不登校支援、インクルーシブ教育、日本語指導など、様々な教育課題に対応するためには、教員のゆとりを作り出すことが必須です。
現場の善意に頼る「業務改善」ではなく、教育長・市長の強いリーダーシップによる「トップダウンの業務削減」という英断が必要です。

流山市では、「市内陸上競技大会」や「市内作品展」といった選抜・競争を伴う主催行事を、令和8年度をもって廃止するという決断を下しました。その最大の理由は、単なる多忙解消ではなく、「児童・生徒のニーズの多様化」と「個別最適な学びの実現」という、より高い教育的視点からです。
千葉市においても、「選抜型行事の廃止」は、教育的意義を否定するのではなく、教員の負担となっている選抜業務、その他付随する業務をすべて廃止することで、子どもたちの多様な活動の選択肢を奪わず、教員が本来の指導に注力できる環境を整えるという、未来志向の提案です。

教育長、そして市長におかれましては、この流山市の英断を参考に、教員の事務的・精神的な負担を具体的に軽減し、トップダウンでの業務削減を進めていただくことを強く要望します。