所属の渡辺忍です。通告に従い、議案質疑を行います。

 

今定例会に提出されました議案のうち、

1 議案第86号 千葉市会計年度任用職員の給与その他の給付に関する条例の制定について、及び議案第87号 地方公務員法及び地方自治法の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について 伺います。

本議案は、地方公務員法及び地方自治法の一部改正により、会計年度任用職員が導入されることに伴い、当該職員に関する給与その他の給付に関し、必要な事項を定めるもの、また規定の整備を図るため関係する条例の一部を改正する条例を制定するものです。

 

<会計年度任用職員制度の導入についての概要>

会計年度任用職員制度の導入は、増加している非常勤職員等が地方行政の重要な担い手となっていることから、非常勤職員等の適正な任用、勤務条件を確保するために行われるもので、今回の関係法令の改正に至ったとのことです。

 

千葉市においても法改正に合わせ、条例整備を行うべく、ここ1年検討を進め、国の事務処理マニュアルに基づき、各団体と交渉を続けてきたと認識しております。

(1)現在の非常勤職員等の実態

 

現在の千葉市における非常勤職員の数はスライドの通りと全部で4伺っています。<スライド1>

 

教育委員会における非常勤嘱託職員(パートタイム)、非常勤職員等(パートタイム)、臨時的任用職員(フルタイム)、こども未来局の非常勤職員等(パートタイム)、病院局の非常勤職員等が人数上、上位となっております。この中には、教員、保育士、栄養士、看護師、社会福祉士、司書等の有資格者が多く含まれている現状があると認識しています。

議案86号、議案87号について

①非常勤職員等で有資格者の実態は把握しているか?把握していれば主な職種の人数をお示しください。

 

(答弁)総務局総務部人事課

平成3141日の一般職の人数で申し上げますと、保育士が914人、教員が409人、看護師が82人、栄養士が54人となっております。

一般職における主な有資格者の実態をお示しいただきましたが、国の事務処理マニュアルには多数の職種が記載されており、千葉市においても、多数の有資格者が非常勤嘱託職員のパート扱いとして、専門的な知識を活かして継続的に勤務をしており、千葉市の行政を支えてきていると聞いております。

一般職における主な有資格者の実態をお示しいただきましたが、国の事務処理マニュアルには多数の職種が記載されており、千葉市においても、多数の有資格者が非常勤嘱託職員のパート扱いとして、専門的な知識を活かして継続的に勤務をしており、千葉市の行政を支えてきていると聞いております。

(2)フルタイムとパートタイムの区別について 伺います。

 

平成27年第3回定例会の一般質問で、保育士の非常勤職員の実態を取り扱いました。その際に、クラス担任となる非常勤職員保育士の勤務時間については、基本的に月曜日から金曜日までが9時から17時、土曜日は、3週に1回の半日出勤となっていると伺っています。当時で最も長い勤続年数は26年となっておりました。このような非常勤職員の保育士には、期末手当や退職手当、勤続年数に応じた昇給など、地方自治法の規定に基づく常勤職員には当たらないことから、支給なし、昇給なしであったため、処遇改善を求めておりました。他にも非常勤職員等のパートの中で、このように常勤とほぼ変わらない勤務体制で週5日勤務している職員もいるのではないかと、懸念しており、導入までの間、業務内容、勤務体制をきちんと調査する必要があるのではないでしょうか。

 

まずは、今回の制度導入にあたり

議案86号、議案87号について

②非常勤職員の一部の保育士はフルタイムに相当すると考えますが見解を伺います。

 

(答弁)総務局総務部人事課

保育所の保育士については、現在の非常勤保育士において、フルタイムに近い勤務実績があること、また、配置基準が定められ、子どもの登園から降園までの間、一貫して子どもたちを適切に援助することが求められることを踏まえ、一部に、フルタイムの会見年度任用職員を導入する予定です。

 

>今回の会計年度任用職員制度導入にあたって、参考として、

議案第86号、議案第87号について

③影響額が53千万円とされておりますが、算出根拠をお示しください。

(答弁)総務局総務部給与課

影響額については、本年度予算で計上している年間の賃金等の支給対象人数5,398人を対象として、会計年度任用職員の制度導入後に新たに支給される期末手当や退職手当などの手当てを考慮し算出しております。

 

団体交渉の内容について 伺います。

 

現在、各職域において、それぞれの団体と交渉を行い、今後も協議をしていくと了解しておりますが、

議案第86号について、議案第87号について

各団体交渉での要望はどのようなものがあったのか?お示しください

(答弁)総務局総務部給与課

各職員団体との交渉における、主に要求事項としては、フルタイムの勤務形態の導入や休暇制度の拡充、(公募のあり方)などがありました。

 

要望にも公募のあり方があがっておりましたが、

>公募による任用、及び再度の任用について 伺います。

 

現在千葉市は制度導入時に当たり、原則すべての非常勤職員等がいったん雇止めとなり、公募となると、伺っております。

 

法成立にあたって「現行の臨時的任用職員及び非常勤職員から会計年度任用職員への移行にあたっては、不利益が生じることなく適正な勤務条件の確保が行わなければならない」との附帯決議がなされており、雇い止めを行うことや、処遇を下げるようなことは、改正法案の趣旨に合わないと参議院総務委員会で明言されているとのこと。です。

 

千葉市のやり方では、業務対応が良好で、人事考課上問題ない人も全員辞めさせ、応募させることになります。継続雇用の可能性が明示されないことにより、仕事へのモチベーションが保てなくなるのではないでしょうか。

また、来年度春の募集人数は相当数となり、労働市場に公募としてだされることになります。しかし一方で、経験を積んだ非常勤職員が居なくなった場合には業務が回らなくなることは周知の事実であり、適正な能力評価のもと、実質的には任用更新となることが見込まれております。

 

議案第86号、議案第87号について

移行時の一斉の公募は、今後の業務に対してのモチベーションを下げ、更に労働市場が混乱を起こすことにならないのか。考えを伺います。

(答弁)総務局総務部人事課

平等取扱いの原則を踏まえ、国のマニュアルに従い、原則公募とし、能力実証を経て任用することを基本といたしますが、非常勤職員等が、市政の重要な担い手になっている状況を踏まえ、公募にあたっては、現在雇用されている非常勤職員等に、しっかりと周知をするなど、現場に混乱を招かないよう対応して参ります。

 

本来、国家公務員法における平等取扱の原則とは「差別的な取り扱いを禁止すること」を指しており、人事院の「働く機会は国民に広く平等に与えなければならず、同一人が繰り返し任用更新されることは不平等」との説明は一見納得性があると見えますが、多くの問題があると考えます。人事考課などを用いた能力実証は必要ですが、労働者の安定雇用は守られるべきではないでしょうか。

 

他自治体での導入状況についても確認が必要です。<スライド2>

<東京都>では一般職非常勤職員の任用等に関する規則

第四条 4項において 「選考は、公募によることとする。」ものの、5項において

同一の職務内容と認められる職への任用の選考の対象とする場合において、勤務実績等に基づき、能力の実証を行うことができると知事が認める場合には、公募によらないことができる。とされております。また6項において、公募によらない再度任用の上限を4回としています。しかし、<スライド3>

<千葉市>では、会計年度任用職員制度導入に係る提案書のなかで、任用・再度の任用に関して、

公募に寄らない任用を【他団体からの推薦により任用する職で、かつ、特定の団体に所属することで得られる知識や経験を必要とする職(警察OB、国税OB、検察OBなど)】に限っております。<スライド4>

また、同一の業務を継続して行う再度の任用に関しては2回までを限度として公募によらないとしております。

 

東京都の規則のように、「同一の業務を継続して行う場合には能力実証をした上で公募に寄らず任用する」と規定することもできますし、再度の任用の上限も、東京のように4回など地域の実情に見合った回数の設定を規定することができます。

議案第86号、議案第87号について

公募によらないサイドの任用の上限も、東京のように地域の実情に見合った回数の設定を規定することができる。東京都と同様に選択できるわけですが、ご見解を伺います。

 

(答弁)総務局総務部人事課

当該年度の職と同種の職が翌年度も設置される場合、公募によらず、勤務実績と面談に基づく能力実証により、再び任用することを可能とする予定ですが、成績主義や平等取り扱いの原則を踏まえ、国期間業務職員の例にならい上限回数を2回までとする予定です。

 

今回の会計年度任用職員がそもそも国の期間業務職員の制度に習ったものと聞いておりますが、期間業務職員の制度の中では、精神的に追い詰められたり、職場での関係性が悪くなるなど、問題が起きており、パワハラ公募との批判も受けています。

調査をしたところ、今回の制度導入に際し、移行時の一斉雇い止めでの公募をしない自治体もあり、公募によらず再度の任用を行うことに限度を求めない自治体や、上限を設けても5回以上の自治体も数多くあると聞きます。千葉市としても更なる他自治体の動向調査は必要なのではないでしょうか。

 

次に、新たに設定される

>条件付き採用期間についてうかがいます。

 

条件付き採用期間は会計年度任用職員については1か月間とされ、同一の職務内容である再度の任用であっても、条件付き採用期間は設定されます。

年度当初異動してきたばかりの正規職員の代わりにといっては職種がちがうのですが、混乱の多い年度当初の実務を実質的には主に担う非常勤職員にとっては、この条件付き採用期間の大変不安定な身分は、実際の業務とのギャップで精神的な負担を生んでいます。

議案第86号、議案第87号について

⑦条件付き採用期間の1か月間の処遇は変わらないか?お示しください

 

(答弁)総務局総務部給与課

条件付き採用期間であることをもって、給与や休暇制度等の処遇が変わるものではありません。

 

処遇が変わらないことは理解いたしました。

 

しかし、身分の保証されない条件付き期間内に、恣意的運用による不当な雇止めが起きるリスクを無くすため、又、会計年度任用職員の不要な不安を払しょくするためには、条件を明示するなどの対応につき、今後の各団体との交渉を丁寧に進めていく必要があります。

 

次に、先ほど団体交渉の中で、休暇制度拡充について要望があると伺いましたが、

>育児休暇・介護休暇等の条件など

議案第86号、議案第87号について

⑧育児休暇・介護休暇等について、会計年度任用局員制度導入により、改善する点は何か。また、不利益な変更がないか、お示しください。

 

(答弁)総務局総務部給与課

現在は、無給の休暇である、職員の結婚や選挙権その他公民としての権利行使にかかる休暇などを有給とするほか、新たに、子育てのための部分休業制度などを導入することにより、休暇制度等の改善が図られるものと考えており、会計年度任用職員制度の導入に伴い、不利益な変更を行うものではありません。

 

>給与表について 伺います。

一般職の給与表をベースとした会計年度職員用の給与表を設けて、経験年数によりいわゆる昇給があることは評価できます。

ただし、10年以上繰り返し任用されてきた非常勤職員等の実務が「単純・定型的・補助的なもの」と評価できない場合もあると考えますが、自治体の中でも重要な戦力となる人材として【特に高度の知識又は経験を必要とする業務を行う職務】において上限を設けることに疑問があります。

 

議案第86号、議案第87号について

⑨一般職の初任給を上限とする理由についてお示しください。

 

(答弁)総務局総務部給与課

国の事務処理マニュアルでは、会計年度任用職員の職務の鵜内容やその責任等を踏まえつつ、給料や報酬の水準に一定の上限を設けることが適当としております。会計年度任用職員の職責は、正規職員の職責を超えないことを踏まえん、正規職員の初任給水準を上限としたものです。

 

>次に退職手当についてうかがいます。

フルタイムだと支給され、パートタイムだと対象外となるとのこと。

しかし、実質ほぼフルタイムと勤務時間が変わらない、あるいはパートタイムだが時間外で結果フルタイムと同じ時間勤務している職員など、

実態に合わせて適用すべきと考えます。

 

議案第86号、議案第87号について

⑩なぜ、パートタイムの会計年度任用職員には退職手当が支給されないのか。

(答弁)総務局総務部給与課

退職手当については、国の事務処理マニュアルでは、フルタイム勤務相当の職員への支給を想定していることから、パートタイムの会計年度任用職員には支給しないことといたしました。

 

議案第86号、議案第87号について

⑪今まで労使交渉などで、信頼関係を築いて改善されてきた処遇については後退することの無いよう、今後の規則制定を行っていくべきと考えますが、ご見解を伺います。

(答弁)会計年度任用職員の適切な処遇の確保が図られるよう、今後、制度の具体的な運用方法等について検討を進め、規則制定を行ってまいります。

 

最期に

>正規職員への転換について 伺います。

 

議案第86号、議案第87号について

⑫本制度の導入後、正規職員の採用試験において会計年度任用職員の経験年数どのように扱われるのか?

(答弁)民間企業等職務経験者を対象とした職員採用試験において、平成28年度から、受験資格要件である「民間企業等での職務経験」に、本市の非常勤職員等としての期間も参入できることとしており、会計年度任用職員についても同様の取扱いとするものと考えております。

 

ご答弁ありがとうございました。 いただいた情報やお考えをもとに、明日からの委員会などで精査してまいります。 以上で、私の議案質疑を終わります。

ご清聴ありがとうございました