1 地域共生社会について

 

少子超高齢社会に進むこれから、だれもが地域で暮らし続けていくために、行政サービスに頼るだけでなく、地域で互いに支え合う共生社会が求められています。

 

千葉市では地域共生社会を担う機関として、庁内横断的に検討を進めていくために、「地域共生社会推進事業部」を設置して、検討を進めていると認識しております。

 

 

今回は「複合的な問題を抱える生活困窮者に対応する支援」「住民主体による地域課題解決力を強化するための体制づくり」について伺います。

(1)包括的な相談対応窓口 について伺います。<スライド1>

 

 

 

 

千葉県は、24時間365日体制で、制度の狭間や複合的な課題を抱えた方など地域で生きづらさを抱えた方に対して、包括的な相談支援・関係機関のコーディネート・権利擁護・市町村等のバックアップ等の広域的、高度専門性をもった寄り添い支援を行う「中核地域生活支援センター」を健康福祉センターの所管区域ごとに設置しています。

 

しかし、千葉市は対象外となっており、同様の施設はありません。地域共生社会を確立させていくために、中核地域生活支援センターのような仕組みが千葉市にも必要ではないでしょうか。

 

<スライド2>

は中核地域支援センターの体制図の例となりますが、センターと市民が中心に様々な機関が結ばれています。

 

 

制度の狭間や複合的な課題をかかえ、どこに行けばよいかわからない市民が、ここへ行けば解決してもらえる、という窓口が明確ではありません。私自身は生活自立・仕事相談センターが一番近いと感じていますが、

 

①複合的な生活課題についての相談場所は、千葉市ではどこになるでしょうか?

 

 本市では、各保健福祉センターで高齢者、障害者、子どもなどに係る様々な相談に対応するとともに、あんしんケアセンターや生活自立・仕事相談センター等の専門相談機関において、よりきめ細かな対応を行っております。

 

 また地域においては、民生委員・児童委員が身近な相談相手となり、福祉サービスの情報提供や行政機関への橋渡しなどを行っているほか、市社会福祉協議会の区事務所が、様々な困難を抱えた方々の相談に応じ、各専門機関や地域の方々との連携を通じて、課題解決に向けた支援を行っているところです。

 

結局、現状では、市民がどこに行けばよいかわからないとき、受け止める窓口はどこか、明確ではないわけです。

 

②地域の課題を解決することの中心となるのは社協なのでしょうか?

 

 

市社会福祉協議会は、社会福祉を目的とする事業の企画や実施等を行うことにより地域福祉を推進する団体であると社会福祉法に規定され、心配ごと相談所における相談対応、コミュニティソーシャルワーカーによる個別支援のほか、千葉市成年後見支援センター、生活自立・仕事相談センター中央等の事業を実施するなど幅広い活動を展開しており、地域の課題解決の中心的な役割を担っております。

<スライド3>こちらのチラシは若葉区の社協のものです。このように市民に積極的に発信が必要です。

地域福祉の担い手は地域の事業者、住民同士の支え合い、NPOなどの市民活動など様々ですが、

<スライド4>中心となって繋ぐコーディネーターとしての役割を担うのは現時点では社協コミュニティソーシャルワーカーとのことです。

③地域福祉を育てるために、市社会福祉協議会はどのような取り組みを行っているか?

 

 市社会福祉協議会では、社会福祉法に基づき「千葉市社協行動プラン 第3次地域福祉活動実施計画」を策定し、見守り活動や支え合い活動等、地域住民が共に助け合い支え合う活動への支援や、買い物支援サービス等の地域における公益的な取組みを進める社会福祉法人や企業などからの相談を受け、その取組みを促進しております。

 

 また、地域の生活課題の解決に向けて、関係者間の連絡調整の役割を担うとともに、コミュニティソーシャルワーカーを中心とした個別支援を行うなど、様々な主体と協働しながら地域福祉を進める取組みを行っております。

 

地域における公益的な取り組みを進める団体として、NPOや任意団体との連携が抜け落ちていないでしょうか。また、地域福祉の活動を発掘、養成、コーディネートしていくのは生活自立・仕事相談センター職員が現在は精力的に担っております。

 

④先ほど頂いた答弁からは、地域の課題解決のための交通整理をするのはコミュニティソーシャルワーカーであると認識しましたが、コミュニティソーシャルワーカーが現状行っているのはどのような活動でしょうか?

 

コミュニティソーシャルワーカーは、地域に出向き、地域住民や関係団体と連携し、ごみ屋敷への対応など複合的な生活課題を抱えた方などに対して「個別支援」を行うとともに、そうした課題を地域で解決するための仕組みである支えあい活動の立ち上げなどの「地域支援」も行っております。

 

 

複合的な生活課題の解決には市が配置する生活支援コーディネーターを始めとする様々な分野の相談機関等との連携が必要となりますが、コミュニティソーシャルワーカーはその連絡調整の一翼を担っております。

<スライド5>コミュニティソーシャルワーカーの担う役割は重要であるにも関わらず、現時点では認知度も低く、相談事例に応じて支援機関の関わりも違い、誰がどこまで担っているのか、支援者間でも不明確な状況です。

しかも積極的に地域へでていくかどうか、コミュニティソーシャルワーカーによって温度差がある状況を改善する必要があります。

先ほどの<スライド6>は若葉区で作成されたチラシですが、同様の周知が他の区ではないことに、地域差を感じます。

 

⑤地域福祉計画でも重点施策にも位置付けられているコミュニティソーシャルワーカーの育成等について現状と今後の方向性を伺う。

 

コミュニティソーシャルワーカーの資質向上のため、昨年度からケース検討などを行う会議を毎月開催し、今年度は活動マニュアルの整備や外部講師による研修を行っております。研修では、その他の市社会福祉協議会職員やあんしんケアセンター職員等も交え、多職種によるケース検討会を実施しております。

 

 こうした取組みを通じて活動の充実を図りながら、支援実績を着実に積み重ね、コミュニティソーシャルワーク機能の強化に取り組んで参ります。

 

コミュニティソーシャルワーカーは現在各区1人ですが、コミュニティソーシャルワーカーだからといって、処遇は変わらないと伺いました。すでに県の研修を受けている職員が半数居る状況とのことですので、各区社協の職員はコミュニティソーシャルワーカーと位置付け、積極的に地域に出て、地域福祉を作っていくのが任務だとすればよいだけではないでしょうか。経費を掛けて増員しなくても、まずは役割を位置付け、意識を変えるだけでよいのではないでしょうか。

 

千葉市として、複合的な福祉に係る相談事業を受ける中核地域支援センターと同様の業務を担うのは社協の各区社協事務所と位置付けてはいかがでしょうか?

 

社協の各区事務所では、市民が相談に窓口へ行った際に席も立たず、市民から声を掛けても腰の重い職員もいます。市職員が受けた接遇の研修を一緒に受けることも必要ではないでしょうか。社協は、市民の福祉のためにある組織であるとの認識を持って業務にあたることを、千葉市として指導するよう要望します。

 

つぎに

 

(2)担い手育成について 伺います。

 

地域福祉計画の中でも、特に住民相互の支え合いの強化は重要であり、地域づくりを担う人材の育成が急務です。地域の好事例として、子ども食堂の取り組みや、買い物支援など、地域の支え合いの紹介されておりましたが、実際にいかされているのでしょうか。

 

地域で暮らす一員として、支援を受ける側でも、支援する側にもなれるという支え合いの概念が市民に根付く取り組みをしているのかが問題です。

 

⑥現時点での、地域福祉の担い手不足に対する取り組みについてお示しください。また、支え合いの市民意識育成のための取り組みについてお示しください。

 

本市と市社会福祉協議会は、これまでも様々なボランティアの養成講座や社会福祉セミナー、市内小・中学校等での福祉教育など、地域福祉の担い手の確保につながる取組みを実施しております。

 

 また、今年度より、各区の中核公民館において、地域住民のサークル活動が地域のボランティア活動につながることを知っていただくための講座を実施し、担い手の拡大に向けた新たな取組みを開始いたしました。

 

地域の方から、子育て世代で地域に関わった人はいずれ地域に戻ってくるつもりがあるとの声を聞きました。時間はかかるけれども、早い段階からの地域での支え合いの種まきが重要だと感じています。子育てサークルはじめ、サロンなどは、お客さんにせずに、担い手として関わるための積極的な働きかけ、支え合う意識づけが必要です。

 

そして、今答弁としてもいただきましたが、地域福祉を考え、実践し、学ぶ場としての役割をになうのに公民館は最適ではないかと考えます。

 

市民活動支援センターと公民館主催事業の連携のための準備が現在スタートしていますが、

 

地域福祉を担う市民活動団体と、学ぶ場である公民館が共に企画するという趣旨はとても良い取り組みだと思います。教育振興財団との委託業務内容の中で、今回の連携の取り組みはどのように位置づけられるのかは気になりますが、地域が自らの課題解決のために学ぶ意識をもてるような働きかけを公民館が担うこと、またコミュニティソーシャルワーカーや社協がこういった学びの場にいる人材とも連携できるように、これからも注視していきたいと思います。

 

最後に

 

 (3)居場所事業の必要性について伺います。

 

地域課題が個別で相談されるケースもありますが、相談にはなかなかいけない場合でも、住民が気軽に集う居場所があれば、そこで困りごとを解決する糸口が見つかることがあります。稲毛区にある地域福祉交流館は、地域が居場所を必要として、要望がかなった良い事例となっております。こども食堂も、多世代が集うことができる居場所の一つとなりつつあります。

 

地域で居場所事業を始めたい場合に、市の事業としての位置付けがないと、効果的には進められない現状があります。

 

⑨地域共生社会のために、多世代や誰でも居られる地域の居場所事業は市の計画として位置付けられないでしょうか?

 

4期千葉市地域福祉計画では、施設の目的に支障をきたさない範囲内での学校など市の施設の開放等を進めるとともに、市内の社会福祉施設等の協力を得て、地域住民等が地域福祉活動に利用できる地域交流スペースの活用促進を図り、利用可能な施設についてはその情報を公表しているところです。

 

また、区計画では、おおむね中学校区単位で組織されている市社会福祉協議会地区部会や町内自治会が行う様々なサロン活動等の拡充に努めることとしております。

 

区計画はほとんどが地区部会、町内自治会が主体者になっており、そこに違和感を覚えます。地域の中では、なんでも地区部会では無理との声も上がっています。

 

ご答弁いただいたサロン活動も、頻度が低く、主体は地区部会です。住民参加による常設型で多世代の居場所づくりが必要ではないでしょうか。地域の課題解決を担う主体者は様々でよいはずです。NPOや任意団体が地域福祉を担うためにはどうしたらよいかが現状では分かりにくいです。支え合いのまち千葉 推進計画では、従来よりも一歩踏み込んで、資料で地域の見守り・助け合いスタートガイドや、事業者が地域に開放する地域交流スペースの一覧も掲載するなど、地域づくりに役立つ情報を広げていこうという試みは大変評価します。

 

しかし、NPOや任意団体が地域福祉を担うための資金的な後ろ盾はなく、現在は各区地域活性化事業のみです。公益的な市民活動を行う団体や個人を支える仕組みがなく、せっかく始まった良い取り組みも育ちにくい風土です。地区部会だけに地域福祉関連事業を任せるのではなく、市民活動団体・NPOなども地域福祉を担えるような体制づくりを要望します。

 

 

2.妊娠・出産・育児の切れ目ない支援について

 です。 
 
母子健康包括支援センター事業、産後ケア事業が開始されてから、1年以上が経ちました。昨年第4回定例会でも、当事者意見を踏まえ、制度設計や活用状況について、一般質問を行なった際、アンケート調査で、市民のニーズ、サービスの課題等を把握してから実施方法について検討していくとのことでしたので、進捗状況について質問をさせていただきます。

 

まず各区保健福祉センターにおける

 

1)母子健康包括支援センターの相談体制について 伺います。

 

保健師又は助産師を各区に非常勤嘱託職員の母子健康包括支援相談員として、週3日1人配置して業務遂行されたと伺いましたが、充実した支援計画の作成、また一人ひとりに合ったサービスの詳細な説明を行っていくには、常勤保健師が不足しているのではないでしょうか?人員配置については、状況に応じて検討していくとのことでしたが、

 

   常勤保健師の勤務実態と人員配置についての検討結果についてお示しください。

 

母子健康包括支援センターにつきましては、妊婦一人一人への対応に想定以上に時間を要することもあり、面接や電話対応が重なった際には、健康課常勤保健師が対応していることから、区によってばらつきはありますが、家庭訪問など従来から常勤保健師が実施している業務に影響がある場合がありました。

 

そのため、昨年度は、専任の非常勤嘱託の相談員を各区1名配置し、週3日の勤務体制でしたが、今年度は業務量などを考慮して、週5日勤務に拡充しました。

 

今後も引き続き、センター業務とともに地域での保健活動も適切に実施していくために、相談員を含め必要な人員確保に努めて参ります。

 

 

時間外労働が増えているのではないかと事前に確認しましたが、36協定により保健師の健全な労働環境は守られていると伺いました。業務時間からこぼれ落ち、不利益をこうむるのは、本来ならば家庭訪問で支援されるはずの世帯です。市民にアウトリーチする重要な役割を担う保健師の適正な配置については、引き続き増員を要望します。

 

次に、産後ケア事業について伺います。

 

 

<スライド7>

 

政令市について産後ケア事業の調査を行いました。訪問費用は他の政令市では10000円上限のところ、千葉市は12000円。公費負担も他自治体では5000円程度のところ、千葉市は8400円です。

<スライド8>一方、施設宿泊型の費用は他政令市で最多価格帯である30000円を千葉市は5000円下回っています。

各助産院のHPを確認しましたが、通常、訪問では5000円~7500円程度です。千葉市産後ケア事業に位置付けられたことで事業者は12000円が収入となっており、利益率が高くなっている状況です。<スライド9>

 

 

②料金が適正価格であると判断しにくいが、どのような経緯でこの金額を設定したのか?ご説明ください。

 

産後ケアにかかる費用の金額については、他都市の事例を参考にするとともに、医療機関、助産院などの事業者に調査を行ったうえで、サービス内容を考慮して設定したものです。

 

本市の訪問型の産後ケアでは、国のガイドラインを参考に、乳房ケア、授乳方法の指導に加え、母子の健康管理、産後の生活面の指導、沐浴等の実技指導等をより丁寧に行うこととしております。

 

 なお、本市の設定した金額は、県内近隣市と同程度となっております。

 

 

 

千葉県内が全国と比べて高い設定になっていることは理解いたしました。各助産院のHPをいくつか確認しましたが、市の産後ケアとしての訪問の場合には、通常の乳房ケアだけでなく、丁寧にその他、指導等が行われることの記載はありません。

 

 

乳房ケアは母乳育児のためにも、大切なケアであり、たくさんの方に利用していただきたいです。しかし、現在の訪問型の費用は、宿泊型と比較しても、余りに偏りがあります。ケア内容と通常時の料金などを確認し、他の政令市と均衡のとれた適正な料金、公費負担金額の設定を要望します。

<スライド10>スライドをご覧ください。政令市に産後ケア事業の調査を行ったところ、実施している事業内容は宿泊型が44%、日帰り型(デイサービス)が41%、訪問型15%となっております。 千葉市でもデイサービス型の導入の必要性があると考えます。

 

④今後、千葉市においてデイサービス型を取り入れる予定についてお考えをお聞かせ下さい。

 

今年8月から9月に、4か月児健康診査に来所した保護者295人及び、産後ケア事業を利用した方261人を対象に実施したアンケート調査では、デイサービス型の利用については、「利用してみたい」または、「金額、内容、時間等によって利用したい」を合わせると、8割近くの方が関心を示していることから、今後、ニーズの把握やサービスの内容の検討を行って参りたいと考えております。

 

 

ぜひ、市民の声をよく聞き、多くの対象者にも関心のあるデイサービス型の導入を要望いたします。

次は 
2)エンゼルヘルパー派遣事業について です。 
昨年、初回無料券の配布が始まり、制度の利用促進につながり、子育ての早い段階から、人に頼るきかっけとなる制度へ改善されたと考えております。<スライド11>

一方で、NPO法人お産子育て向上委員会の行ったエンゼルヘルパー登録事業者へのアンケート結果をご覧ください。<スライド12>

 

 

事業者の通常の利用料金が1時間あたり、2000円~3000円の事業者が3割、3000円~3500円が7割となっております。

<スライド13>現在のエンゼルヘルパー事業は2時間で4060円の料金設定で、通常訪問よりも3割程度少ない料金で対応しており、多数の事業者が料金設定が安いと考えています。

<スライド14>

 

安いと考える理由としては、交通費や諸経費がかかる、が5件、人件費の上昇が3件の回答あります。スタッフへの最低賃金を確保した上で、交通費・駐車場代など込みで4060円で事業を行うことは非常に厳しいとの声があると、昨年の一般質問で指摘し、料金の改定等についての見解を伺いましたが、「登録事業者からも、料金の引き上げに関する要望は受けておりません。」とのご答弁でした。

 

<スライド15>しかし、アンケート結果からは、別途交通費実費や駐車場料金を加算したいとの声がある実態が明らかです。

 

⑤価格設定について改善を求めますがいかがでしょうか?

 

 エンゼルヘルパー事業については、適切な委託料や費用負担を設定し、良質な登録事業者を十分に確保する必要があることから、本市としても、他政令市等の実施状況を確認するとともに、現在の登録事業者の意見を聴取し、収支状況の把握等に努めて参ります。

 

また、利用者からは提供されたサービスが適切に行われず再度の利用をあきらめたとの声もあります。

 

⑥利用者が望んだサービスを受けられているのか、調査が必要な時期と考えますがいかがでしょうか?

 

 事業創設から15年以上が経過し、本事業に対する利用者のニーズが変化している可能性があること、また、初めて利用した方が2回目以降を継続して利用されないケースもあることから、本市としても、より多くの方に必要な回数をご利用いただけるよう、利用者のニーズの把握に努めて参ります。

 

事業者の研修内容の確認なども必要と思います。ヘルパーの質の平準化を目的として、市として最低限抑えるべき研修内容についても精査してほしいと思います。

 

  

 <スライド16>スライドをご覧ください。

 

現在のHP上の事業者リストですが、リンクがない、リンク先に飛ばない、リンク先の事業者のページにはエンゼルヘルパー事業の説明がないなど、市の事業を受託している事業者のリストとして内容が不十分ではないでしょうか。

 

 

これでは妊産婦は選ぶことができません。

<スライド17>コーディネーターに相談すると、支援内容により、実績、距離などで事業者を紹介されるようですが、誘導?とは言わないまでも、コーディネーターが頼みやすい、断らない事業者が選ばれやすいのではないでしょうか。スライドは2016年度の実績ですが、偏りが明らかです。

<スライド18>こちらは世田谷区のさんさんサポートの事業者情報です。各事業者、得意な分野や、利用者へのメッセージほか、基本情報が記載されています。

 

妊産婦自身が必要な支援を受けられる事業者を探して申し込みできるよう、適正な情報提供のため

 

⑦事業者一覧のページの充実が必要です。ご見解を伺います。

 

 本市のエンゼルヘルパー事業は、幼保支援課に専任のコーディネーターを配置し、利用者の希望や居住地等の情報を丁寧に聞き取った上で、総合的な判断の下、最も適切な登録事業者からの派遣につなげており、こうしたきめ細かな対応が利用者の利便性の向上につながっていると考えております。

 

 一方で、自ら事業者を選択したい利用者にとっての利便性向上を図ることも必要と考えており、他自治体の事例も参考としながら、ホームページの改善等、登録事業者に関する情報提供について検討して参ります。

 

市のサイトがわかりづらくて利用できなかったというお母さんの声があります。対応を要望します。

 

最後に、支援対象について伺います。先日イベントでお会いしたご家族で、母親は産後2か月で仕事復帰し、父親が2か月の赤ちゃんのお世話、家事全般を行っており、エンゼルヘルパーが利用できないかというご相談がありました。しかし、現在のサービスでは、男性の利用はできませんでした。

 

従来のサービスは産後の女性を支えるという視点で作られており、男性の育児参加の視点が抜け落ちています。男性はお産はしませんが、家事全般と小さな赤ちゃんのお世話を担う大変さは計り知れず、子育てを家族で担う今、男性ではサービスが受けられない現状の制度は抜本的に見直す必要があるのではないでしょうか。

 

慣れない育児・家事で疲労感を感じる父親が、利用できるような制度への改定を求めますが、ご見解を伺います。

 

 現在のエンゼルヘルパー派遣事業は、「妊娠中又は出産直後で体調不良等のため、家事又は育児を行うことが困難な母親」を援助することを目的としており、原則として、サービス提供の対象を母親に限定しております。

 

 今後は、対象者の拡大も含め、本事業の在り方を検討して参ります。

 

現在母子健康包括支援センターでは、ファミリーサポート事業の登録や利用申請ができません。

 

⑩妊娠・出産・育児の切れ目ない支援を母子健康包括支援センターで一括して行うとすれば、産後ケアやエンゼルヘルパー事業の申し込みと同様、ファミリーサポート事業についても同じ場所で行えるような仕組みが必要と思います。見解をお示しください。

 

ファミリー・サポート・センター事業の会員登録に当たっては、氏名、住所、連絡先、世帯構成のほか、必要な援助内容やお子さんのアレルギー情報などを把握する必要があるため、ファミリー・サポート・センターの職員が直接申込みを受け付けることとしております。

 

 母子健康包括支援センターに会員登録申込書を配架するなど、利用者の利便性の向上を図る方法を検討して参ります。

 

最後に

 

(3)制度の隙間で社会的養護の対象とならないぎりぎりの世帯について 伺います。

 

産前産後の不調をサポートする産後ケアや家事・育児支援だけでは支えきれない家庭があります。被虐待の経験のある妊産婦、困窮や家庭環境によって苦しんでいる母親たちを支えていくには、妊娠期からの切れ目ない支援が必要です。

 

 

今誰かに助けて欲しいと思う時に、寄り添える体制が無ければ、確実に母は、孤立し、頼らなくなり、引きこもり、どうにもならない気持ちを弱い子へ向けていきます。

<スライド21>野田・松戸・船橋では家庭訪問型子育て支援事業として「ホームスタート」が始まっています。

 

ホームビジターが週1回2時間、計4回程度ベビーシッターや家事代行ではなく、一緒に家事や育児をしたり、おはなしをして過ごすために訪問します。訪問前の顔合わせや振り返りなども含めると全部で7回ほど訪問があり、利用料は、無料です。

 

⑪産前産後から孤立させない、特に産後一年間は密に、支援を入れるべきと考えますが、現在の取り組みと今後の課題についてお聞かせください。

 

本市では、母子健康包括支援センターで妊娠届出を受け付ける際、相談員が支援プランを作成しながら生活状況、家族状況、支援者などについての詳細を聞き取り、継続して支援が必要な方には、電話や家庭訪問などにより個別にアプローチを行っています。

 

出産後は、必要に応じて退院時に医療機関の担当者との個別カンファレンスを開催し、保健師、助産師のほかボランティアの地域保健推進員による家庭訪問や乳児健診等でのアプローチを続けるとともに、民生委員、主任児童委員などの地域関係者の協力も得ながら、地域で孤立しないよう支援に努めています。

 

今後も、様々な機関との連携が必要と考えており、個々の状況に応じて、その家族の孤立化を防ぎ、不安なく育児できるよう支援して参ります。

 

先日行われた日本子ども虐待防止学会では、若葉区で、長く関わっている母子に対する地域連携について報告があったと聞いています。被虐待経験のある母で、妊娠期から親との関係が悪く、頼れない状況で、産前産後から、養育支援、就学まで、多職種・多機関が地域で切れ目なく、母子を支える支援の輪が出来た事例とのことです。保健師は丁寧に訪問を繰り返し、寄り添う支援を行っています。しかし、保健師も先ほどのご答弁の通り、多様な支援に追われ、頻繁な訪問の必要がある世帯とわかっていても、時間が限られており、丁寧な支援をするには人員不足です。

 

そこで以下要望いたします。

 

①まずは、保健師の増員です。繋げられる地域資源があっても、現状の業務過多な状況では、地域に出かけて地域資源を知り、つなげる余裕がありません。

 

②次に、地域連携の体制づくりです。地域には連携してほしいと待っている市民、地域推進員や主任児童員、民間事業者がいます。児童相談所の一時保護も常に定員超えですが、地域で支えられれば、虐待のために保護しなくてはならないケースも減ります。地域で子どもが育つ仕組みをつくるために、ホームスタートなどの家庭訪問支援を、民間と協力して行うことで、里親、養子縁組の家族にも効果が期待できます。

 

 

国の補助事業で、家庭養育の推進等に向けた乳児院等の機能強化・多機能化として、H30「産前・産後母子支援事業(モデル事業)の拡充」があります。

<スライド22>母子ともに社会的養護が必要な場合に、施設において受け入れ、自立に向けた支援を実施する場合に補助費がでるものですが、千葉市はこの事業の活用をしていないとのことです。

若葉区で始まった一時生活支援や家庭訪問型支援を行うmother’s comfortのような地域団体との連携が充実すれば、母子支援施設として本事業に位置付けることができるのではないでしょうか。

今後の更なる地域連携の体制強化に期待いたします。