【目次】
公園は、誰もが利用できる身近な公的空間ですが、その利用目的は様々です。
近年は都市の中の緑地や景観、災害時の避難場所、インクルーシブ公園など共生社会の拠点など、求められる役割は一層多様化しています。
さらにコロナ禍で屋外公共スペースとして見直されてきており、多世代が関わることのできる公園は地域コミュニティの活性化を図るためにも重要な拠点です。
子育て中はもちろんのこと、どの世代にとっても身近な公園は日常的に、緑から元気をもらったり、休息したり、体を動かしたり親しみが持ちやすい場所ではないでしょうか。
私自身も、定期的にプレーパークを行っている宮野木中央公園、事務所の目の前の公園、子どもたちが野球で利用していた公園など、様々な場面で公園とかかわりをもち元気をもらってきました。
今回は、身近な公園の維持管理と利活用の視点より質問させていただきます。
こちらのスライドは都市公園の箇所数及び面積等の推移となります。
年々着実に公園数も面積も増やしております。
また、千葉市は政令市の中で一人当たりの面積も市民緑地を含めると10平方メートルを超えており、政令市7番目、特に関東圏の中ではとびぬけており千葉市の特徴ともいえる状況です。
さらにこれからは、量だけではなく質が大切となるステージと考えます。
「みんなが輝く 都市と自然が織りなす 千葉市」を掲げる千葉市にとって、公園の在り方は重要なテーマです。
大規模公園は観光資源としての役割もあり、都市イメージを作る戦略的な部分が重要となりますが、私は、日々の生活の中で市民が身近な公園をどのように活用しているか、それこそがみんなが輝くことに繋がるのではないかと考えています。そこで伺います。
質問1-1
千葉市では市民が公園に親しみを持ち利活用することに関する評価指標をもっていますか?
答弁
(都市局公園緑地部緑政課)
先頃策定した「千葉市緑と水辺のまちづくりプラン2023」 では、緑と水辺に関わる人々が目指す姿として、「緑と水辺のまちづくり活動の表彰数」、「緑と水辺のまちづくり活動への参加度」の2つを成果指標として設定しております。
とても大きな視点での指標で、市民レベルで目標とすることが難しい指標と考えます。身近な公園の利用頻度や公園の管理状況などで計ることが必要ではないでしょうか。
放っておかれる公園ではなく、市民に利用される公園管理・運営がされているかとの視点で考えると身近な公園で、市民が関わる公園清掃協力やパークマネジメントが導入されている公園数を増やすことが指標にもなりえると考えます。
公園清掃協力団体及び市民協働型のパークマネジメント団体が活動する公園数の推移は、スライド3のとおり、公園清掃協力団体数・公園数が緩やかに減り、パークマネジメントは約10年で緩やかに増えました。
双方を足してみると緩やかに減っている状況です。
質問1-2
公園清掃協力団体と市民協働型のパークマネジメント団体の課題と今後の方針について伺います。
答弁
(都市局公園緑地部公園管理課)
課題としては、一部の団体において、メンバーの高齢化や後継者不足により、活動内容の縮小が生じていることなどが挙げられます。
今後も、より多くの皆様に身近な公園に愛着を持ち、公園の管理運営に参画いただきたいと考えており、パークマネジメントの普及拡大に取り組んで参ります。
パークマネジメント事業について紹介されている千葉市のホームページには、いくつかのモデル団体の事例紹介と今後の方向性のところには「モデル事業を検証し、地域の自主性を尊重した使い勝手の良い公園づくりのための制度を目指していきます。」と書かれています。
モデル事業としてここまで10数年経過している中、いつ本事業として扱うのか?
いつまでモデル事業なのか見通しが明確でないのが気になります。
また、スライド4は、報奨金は公園清掃協力団体とパークマネジメント団体と広さによる段階的な金額設定となっておりますが、両事業に金額の違いはありません。
パークマネジメント団体になることのメリットは公園清掃だけでなく公園の管理運営などできることが増えることはメリットでもありますが、業務が増えるのは面倒との認識で現状維持を望む団体が多いともいえるかもしれません。
こちらのスライド5は、区別でパークマネジメントの公園数の推移を表示しましたが、市民からの提案が単純に多いのか、担当者が熱心に関わった結果なのかは不明ですが区によって実施数には大分差があります。
公園清掃団体へパークマネジメントへの切り替えを一時期は依頼していたようですが、実際には伸び悩んでいる状況かと考えます。
シニアクラブや子ども会などの地縁団体や地域福祉に資する市民活動などによる提案はぜひ今後増やしていきたいと担当の方が打ち合わせの際におっしゃっていましたが、実際に地域ニーズからの提案に前向きに寄り添ったサポートがされてきたでしょうか。
これまでどのように拡充に向けて取り組んできたのか、パークマネジメント制度の普及拡大のための旗振り役が不明確に感じます。各公園緑地事務所なのか、公園管理課なのか、今後は多世代交流や高齢者の健康維持・子どもたちの居場所としての重要性から考えると、様々な部署で協力して公園管理や利活用を応援できる体制整備が必要ではないでしょうか。
先ほどのご答弁では高齢化が縮小原因として挙げられてましたが、高齢化社会で高齢者は増え続けています。
市民等が身近な公園の管理に参画する取り組みである公園清掃協力団体やパークマネジメント制度について、シニアになりたての方や若い親世代は知らないと感じます。
質問1-3
公園清掃協力団体やパークマネジメント制度の普及啓発についての考えを伺います。
答弁
(都市局公園緑地部公園管理課)
公園清掃協力団体やパークマネジメント団体の活動内容、さらにはパークマネジメント制度をより多くの市民の皆様に知っていただくことは、大変重要であると考えております。
このため、ホームページの充実やSNSの活用など、活動内容や制度を知って、興味を持っていただけるような効果的な普及啓発の手法について検討して参ります。
ぜひ、身近な公園に対する管理状況が分かるようにホームページを活用することを要望します。
各公園では住所・電話番号・アクセス・地図が載っておりますが、こちらに清掃協力団体名、活動日や連絡先などの基礎情報、パークマネジメント団体が行うイベントなどが記録されるようになれば、やってみようと思う市民団体や地域の小さなグループが手を上げるきっかけになるのではないでしょうか。
これまで、見聞きしてきた公園関係の申請等に関して私が感じていることは、公園緑地事務所は、地縁団体への配慮から個人やNPO・市民団体へ厳しいということです。
自治会組織の中に入って活動することは難しい場合でも、若い世代が企画・運営を行うことで柔軟で新たな取り組みで賑わいやコミュニティ創出が予想される場合にも、地域からの反対で先に進めない時があります。
一部の方の強い意見で若い世代からの地域コミュニティ形成のチャンスを逃していないでしょうか。
地縁組織だけが地域ではないことの認識を広めることが必要です。
地域へ理解を求めるための説明をする意志があるにもかかわらず、イベント申請を行った新たな団体のなかには、自治会の許可を得ることに苦慮している場合があります。
行政が間に立つのは大変だと思いますが、若い世代が新たに挑戦することで多少の問題が想定されたとしても、行政にはしっかりと応援する姿勢で地域の調整に入っていただくことを望みます。
団体同士の対立としないよう、どちらが正解かではなく、お互いを尊重して折り合える形に進めるべく、私たちもしっかりと取り組まないといけないと認識しています。 申請についてひとつ伺います。
質問1-4
公園緑地事務所への来所は現代の忙しい世代にとっても、高齢化した団体にとっても困難です。
利用を促進するためには申請のオンライン化や押印省略・必要書類の削減など簡素化、打ち合わせに対するハードルの低さが必要です。
ご見解を伺います。
答弁
(都市局公園緑地部公園管理課)
公園利用にかかる申請書については、本年4月1日に千葉市都市公園条例施行規則の改正を行い、押印を省略できるものとしました。
これにより、地域が主催するお祭りの開催や、防災資機材収納庫の設置などの各種申請書の提出方法が、これまでと同様にご持参いただくほか、新たにファクシミリや電子メールでも可能となっております。 今後、市民の皆様へ、提出方法の拡充について、より一層の周知を図って参ります。
来所や郵送での申請のみではなくなることは簡略化やオンライン化に向けて一歩前進です。
毎年・毎回、同じ申請を出す団体などでは、更なる簡略化を求めます。
トイレ・手洗いなどの衛生面の管理が行き届いていることは公園を地域で活用するためにも重要です。
質問1-5
トイレ清掃の実施状況と課題について伺います。
答弁
(都市局公園緑地部公園管理課)
現在、トイレ清掃は、清掃業者への年間を通じた委託業務にて、実施しております。
身近な公園においては、都心部では週に4回、その他の公園では週に2回実施しており、大規模公園においては、トイレの利用状況に応じて、週に1回から6回の頻度で実施し、清潔なトイレの維持に努めております。
しかしながら、公園利用者から、トイレが汚れているとのご意見をいただくこともあり、清掃などの日常管理の充実と利用者のマナー向上が課題であると認識をしております。
公園の利用頻度の高い団体から、子どもたちが利用するのにも躊躇するようなトイレは用具があれば、ちょっとした掃除をするのにとの声がありました。
今後、気づいた人が掃除できるように用具を設置するなどモデル的に取り組んでいただき、効果があればトイレへの掃除用具設置を検討してください。
清掃のみならずトイレの快適化として、設備更新も必要です。
質問1-5
現状の洋式化含めたトイレの快適化実施状況と今後の見通しについてお示しください。
答弁
(都市局公園緑地部公園管理課)
昭和の森や泉自然公園などの大規模公園においては、令和元年度より老朽化したトイレの建て替えを進めております。
また、身近な公園における便器の洋式化については、令和4年度から、より積極的に取り組みを進めているところであり、昨年度は35公園37基の洋式化を実施しました。
その他、既存トイレの劣化状況等を確認するため、身近な公園のすべてのトイレを対象に、施設の健全度調査を実施したところです。
今年度は、引き続き、便器の洋式化を進めるとともに、健全度調査の結果をもとに、公園トイレに関する基本方針、設置基準、設備の仕様標準、事業計画等で構成する「公園トイレ快適化計画」を策定する予定であり、来年度以降は、計画に基づき、取り組みを進めて参ります。
計画に基づき取り組みを進めていただくようお願いします。設備に関してはご答弁がとても具体的です。
市民協働での管理運営についても計画的に拡充されることを求めます。
こちらのグラフ スライド6は、2005年からの公園維持管理予算の推移です。 2005年から2011年にかけて財政健全化のために一度落ち込んでいますが、現在は同レベル以上まで戻っているものの、塗装修繕の費用を除くと、ほぼ12億で変わらない状況です。
管理している公園緑地が増加していることや物価高騰などの影響を考えると、サービスレベルの低下が懸念されます。
質問1-6
公園維持管理予算における課題と今後の見通しについて伺います。
答弁
(都市局公園緑地部公園管理課)
本市の公園は、設置から30年以上を経過したものが、全体の半数以上を占め、多くの施設で老朽化が進むとともに、樹木が大径木化し、施設の改修や適切な樹木の維持管理等に多額の費用を要する状況に加え、昨今の労務費や資材の高騰などの影響も生じております。
今後も、適正な維持管理に向け、所要の予算の確保に努めて参ります。
公園の維持管理を公民どちらで行うかにかかわらず、適切に管理を続けるために適正な予算措置を要望します。
今回の法改正で新たに規定される管理不全空家についてのこちらのスライドをご覧ください。居住目的のない空き家はこの20年間で約1.9倍にも増え、2018年で約350万戸、今後も増加が見込まれております。
これまでの周囲に著しい悪影響を及ぼす「特定空家等」になってからの対応では追いつかないとのことから、「管理不全空家等」が新設されることとなりました。
今後は特定空家等となる前の管理不全空家等と指定された時点で、自治体が法に基づく指導・勧告ができる仕組みになります。
この「管理不全空家等」に規定され、勧告を受けた場合、その空家についても税の優遇措置の解除ができるそうです。
そこで伺います。
質問2-1
千葉市には法改正により新たに規定された管理不全空家等は想定でどのくらいありますか?
また現時点で、そのような管理不全空家等に対してどのような対応をしていますか?
答弁
(都市局都市部都市安全課)
「管理不全空家等」についての具体的な判断基準が、国から示されていないため、件数を想定することは困難であります。
また、「特定空家等」でない場合は、法に基づく指導対象とならないため、必要に応じて所有者等に対し、空き家の状況を通知するなどしております。
法改正による新設の「管理不全空家等」の基準が示されるのはこの先となりますが、対象が広がることは間違いなく、千葉市としてどの程度の件数を管理する想定をしているか、その対象に対しての現在の対応を伺いました。
こちらの スライド8 をご覧ください。
千葉市の空き家のデータです。
左は空き家の種類別の推移で、右側は2013年の空き家の種類別ごとに、腐ったり壊れている家の件数となっています。
その他空き家と賃貸用空き家で、腐朽・破損の有る空き家が多く、トータルで10000戸以上が腐ったり壊れたりしている状態とのことになります。
基準がどのように設定されるかは現時点では確かに想定できませんが、最大でこの10000戸程度が管理不全空家等に該当する可能性があることになるのではないでしょうか。
スライド9 は現在法に則り行われている特定空家に対する措置です。
これまでは特定空家に指定された後、助言・指導、さらに勧告を受けると住宅用地特例除外となり、これまで土地の固定資産税が1/6となっていたものが特例が外れるために6倍となる可能性があります。
質問2-2
特定空家等への対応状況と課題について伺います。
答弁
(都市局都市部都市安全課)
「空家等対策の推進に関する特別措置法」の施行を受け、法的な措置の運用を開始した平成28年度から「特定空家等」の解消に向け、指導、勧告などの強い措置を講じており、「特定空家等」が最も多かった平成30年度の145件から昨年度末時点で85件まで減少しております。
「特定空家等」は、所有者等による速やかな改善が求められますが、経済的な問題や相続上の問題、個人の思いなどにより、早急な対応がなされない場合があることが課題であると認識しております。
管理不全な空き家等の解消につきましては、以前より積極的な対策をしていることで、特定空家等が削減されている状況であり、効果を発揮していることを評価しております。
ただし、空き家になる原因を絶つ予防対策が確立しない限り、これからも管理不全の空き家が生まれます。
引き続き気を引き締めて業務に当たってください。
そして問題は、今後「管理不全空家等」に指定される可能性のある現在地域からクレームが来ているような空き家への対応です。
空き家や空き地についての地域からの相談を、これまでどのようにしていて、今後どうしていくのか、大きく体制を変えなくてはいけない状況が見えてきます。
窓口や電話で相談をした後、区役所地域づくり支援課、都市局との連携内容など、どこまで誰が何をしてくれるのか、してくれないのかが見えず市民の不満となっています。
質問2-3
市民相談業務のその後を明確にすること、そのためにしていることはありますか?
答弁
(中央区役所地域づくり支援課)
市民や地域からの空き家の相談は、各区役所地域づくり支援課で受けております。
相談を受けた後の流れについては、相談があった空き家の現地確認を行うとともに、登記事項証明書などにより調査した 所有者等に対し、空き家の状況を通知して、適正な管理を促しているところです。
その後、所有者等から連絡があった場合は、必要に応じて、「すまいのコンシェルジュ」の紹介や税法上の優遇措置の案内などの助言を行っておりますが、応答が無い場合も多く、適正な管理を促す通知を繰り返し発出しております。
管理不全な状態から改善が見られない場合は、法に基づく「特定空家等」と認定し、修繕や建築物の除去について、指導、勧告から命令まで必要な措置を都市局と連携して講じて参ります。
また、相談者に対しては、所有者等の個人情報に該当する内容を除き、可能な範囲で対応状況をお伝えしております。
なお、単なる相隣関係の問題については、当事者間で解決していただくことを基本としております。
現状は特定空家等については都市局都市安全課で市全体の件数把握し、それ以外の空家等については各区で相談対応をしており、その件数も把握していると伺っています。
特定空家は、法に基づいた判断は都市局と区役所等で行い、通知などの実務業務は区役所が行っています。先ほどのご答弁の通り、各区では、現地確認や近所からの聞き取り、調査した所有者情報あてに、状況によっては通知を出すとのことです。
各区では空き家を台帳管理しているとのことですが、相談の受付、通知に至る基準など、対応が違う可能性もあり、相隣関係の場合の対応が各区で異なることも想定されるため、件数比較することにはあまり意味のない状況です。
ご答弁では、近隣からの相談に対して、対応していただいた結果を可能な範囲でお伝えいただいているとのことですが、相隣関係の問題との認識からなのか、相談として受付られなかったケースなど区役所での対応は、ご答弁いただいた内容と合わない事例もあり、残念ながら市民が不満を持つ例をいくつか聞いております。
そもそも、管理不全な空家を生まない、空き家の発生を防ぐことが重要です。
市が指導しても、ほっておいても困っていない、当事者意識ないことが原因で、先日のクローズアップ現代で空家が特集されましたが、その際には「なんとなく空き家」と呼ばれていました、このようななんとなく空き家を生まないためには周知啓発が必須です。
千葉市では「空き家ガイドブック」を作成し、周知啓発に取り組んでいると了解しておりますが、
質問2-4
空き家ガイドブックの活用状況について伺います。
答弁
(都市局都市部都市安全課)
「空き家ガイドブック」は、市ホームページに掲載しているほか、各区役所や、空家等対策に関する連携協定を締結している千葉県宅地建物取引業協会千葉支部など7団体の窓口等においても配架し、周知に努めております。
また、本市が開催している空き家のセミナーや相談会でも、参加者に配布、説明するなど、有効に活用しております。
7団体に所属する全事業者に行き渡っているでしょうか? 民生委員やあんしんケアセンターにも配布されていることを確認しました。
いきいきセンター・公民館も高齢者の活用が多いので一定の効果あるのではと考えます。
さらに配架の拡充を求めます。
また、内容についても大変好評であると伺いましたが、現時点で私が感じるのは、ちゃんと管理すること!!管理しないと大変だよ!!と伝わってきます。
空き家を持つことが恐怖になります。でも本来、家を持つこと自体が恐怖になるのはおかしいと思います。
大切な家を管理するとこんなにいいことがあるよ、活用してねという方向に変わってくるといいなと思います。
そのために、家主となった方が気軽に相談できる体制づくりをもっと進めて欲しいです。
管理不全を減らすことが一番の目的で作られたガイドブックですが、今後は利活用を進めていける内容も盛り込まれ、バージョンアップすることを期待します。
2019年5月より開始している、千葉市における空家バンク的な制度である「すまいのリユースネット」は2021年に制度の見直しを行い、登録対象物件を拡充するため、市場に流通している譲渡価格500万円以下の物件も登録可能にしたと伺っています。
質問2-5
すまいのリユースネットのこれまでの実績と課題について伺います。
答弁
(都市局都市部都市安全課)
本市の空家等情報提供制度、通称「すまいのリユースネット」の運用を開始した令和元年5月から令和5年3月末までの実績は、空き家所有者による登録物件数が11件、空き家等を利用したいと考えている個人の登録数が79件、地域活動等で利用したいと考えている団体の登録数が14件で、このうち成約に至ったものは4件でありました。
「空家等」の活用促進に向けて、制度の一層の認知の向上と登録件数や成約件数の更なる増加が、課題であると認識しております。
地域で空き家を利活用したい人の話は本当に各所から相談されます。
多世代交流や子ども食堂・認知症カフェでの利用など地域福祉的な利用が多く望まれていることは以前よりお伝えしています。
質問2-6
地域での福祉的な空き家の活用に向けた今後の進め方について伺います。
答弁
(都市局都市部都市安全課)
「空家等」の活用促進の一つとして、地域の活動拠点など住宅以外の用途への活用も有効であることから、今年度末に改定を予定している「千葉市空家等対策計画」に、引き続き盛り込むとともに、関係部門と連携を深めて取り組んで参ります。
すまいるコンシェルジュの相談件数はここ数年で順調に伸びており、特定空家が減ったことからも、一定の効果はあったと理解しますが、地域での利活用の視点からはまだまだ相談体制の見直しは必要です。
相談内容をみても、地域での活用の要望があるかどうか見えません。
地域の居場所や福祉的利用の場合など、市場で流通する売買・賃貸以外の利用の場合には、すべての荷物を処分したり片付けしなくても、貸すことはできます。
例えば、家主の荷物を1つの部屋にまとめて鍵をつけることで捨てたり、トランクルームなどを借りて運びだす必要もなく、限られた部屋だけを地域に貸すこともできるそうです。
売る場合でも片付け・解体など様々な手続きを必要なサービスに繋ぎ、寄り添い支える組織が必要です。
そういった細かな提案やサポートは不動産関係など営利企業では難しいのではないでしょうか。
質問2-7
営利企業ではない中間支援機関が必要と考えますが、ご見解を伺います。
答弁
(都市局都市部都市安全課)
国は、空家等の適切な管理及びその活用を一層促進するため、この度の法改正により、地域の空き家対策に取り組むNPO法人や社団法人などを市が「支援法人」として指定し、その「支援法人」が、「空家等」の所有者等に対し情報提供や相談を行うことや、市からの委託による所有者等の探索などを行うことができる新たな制度を創設したところであり、本市といたしましては、本制度の活用について、今後、国が示す予定の具体的な基準等を研究して参ります。
世田谷区では空家対策を目的としている団体が「世田谷空き家活用ナビ」を運営しており、空家専門アドバイザーがなんでも無料で相談に乗るそうです。
市民活動をサポートする団体や、シェアリングエコノミーなどの視点から提案を行える事業者が今後必要かもしれません。
空き家の利活用の仕組みを作れる体制整備を求めます。
あんしんケアセンターは地域を丁寧にみていることで、施設へ移ったことによる空家や家主を失った空き家に出会う機会が多いと考えます。
質問2-8
あんしんケアセンターで空き家に関する相談があった場合の対応について伺います。
答弁
(保健福祉局健康福祉部地域包括ケア推進課)
あんしんケアセンターでは、介護保険制度や施設入所等に関する相談の際に関連して、持ち家の管理や退去、処分など、空き家に関する内容が含まれる場合もあります。
その際には、相談者の意向を確認しながら、空き家に関する相談窓口である「すまいのコンシェルジュ」や「各区地域づくり支援課」等をご紹介しております。
大阪の住之江区では、【地域福祉のネットワークによる空家発生情報の収集と外部提供】が検討され、所有者の意向確認から情報提供までのフロー、段階に応じた提供情報の範囲について整理し、主に高齢の所有者への相談対応、協力事業者等へのつなぎ支援を行う中間支援組織(人と家の見守り活動支援センター)の役割と具体的な業務内容についてのマニュアルを作成したそうです。
千葉市でもあんしんケアセンターに限らず、地域福祉のネットワークの中で、高齢者の見守りや生活支援を行う中で、出会う空き家についての空家発生情報の提供やその後のフローの整理が必要かもしません。
ご家族にとっても介護で相談に乗ってもらっているケアマネージャーやヘルパーからの働きかけにより、専門相談へのハードルが下がり、安心して対応が進むことで、空き家の未然防止にも繋がるのではないでしょうか。
もちろん、本来の介護に関する業務が最優先ではありますが、情報連携と相談のきっかけ作りはその後の高齢者とそのご家族の暮らしの安心にもつながると考えます。
質問2-9
今後の改定にむけたスケジュールについて伺います。
答弁
(都市局都市部都市安全課)
平成30年に作成した「千葉市空家等対策計画」については、上位計画である「千葉市住生活基本計画」の改定などを受け、現在、「千葉市空家等対策協議会」において、見直し作業を進めております。
この協議会での審議などを踏まえた改正案について、12月頃にパブリックコメントを実施し、今年度末に改定する予定であります。
これからの人口減少社会の中、すでにある空家・空き地を有効に活用していく仕組みができれば、今ある自然を壊して宅地開発したりせずとも住環境は十分に足りていく状況です。
千葉市内、特に都市部に残る貴重な緑地を残すためにも、空き家対策は重要な課題です。
地域コミュニティの拡充のために持ち家を提供したいと思うオーナーが居た場合に、自治会などの地縁団体や地域福祉を担うNPO・任意団体などと市が連携して関わることのできる相談体制整備を求め、私の一般質問を終わります。