無所属の渡辺忍です。

新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられたみなさまのご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様に謹んでお悔やみ申し上げます。

また感染リスクの高い最前線で働いてこられた医療関係者の皆様、社会を支えるための介護・保育・販売等にかかわる皆様に感謝を申し上げます。

 

それでは、本定例会に市長から提出されました全ての議案に賛成の立場から、発議第15号、第16号に反対の立場から討論を行います。

 

議案第65号の千葉市国民健康保険条例の一部改正において、

被雇用者は労務に服することができないと即収入に影響することから傷病手当金の支給について改正がなされること評価いたします。

 

一方、発議第15号に提案された事業所得がある個人事業主やフリーラン

スを対象に含めることは、一部必要な事業形態が見込まれると予測するものの、具体的な事例が現時点でみられないこと、また支給額を公平に決定することが困難であり、本発議には賛同しかねると判断いたしました。

 

発議第16号千葉市美術館条例の一部改正について、小・中・高校生は、すべての展覧会が無料で閲覧できる環境があることから、改正する必要性は低く、本提案には賛成いたしかねるものです。

 

以下、賛成いたします議案につき、いくつか意見を申し上げます。

 

まず初めに、議案第63号専決処分のうち

(1)生活困窮者自立相談支援機能の強化について、

現在、相談が急増していることから、新たにアウトリーチ支援員を3名配置とのご説明でしたが、従来から相談支援において、慢性的に人が足りない状況の中で、アウトリーチは行われています。すでに窓口設置済みの中央区、稲毛区、若葉区に加え、花見川区にも秋には窓口が設置され、さらに3.5人の相談員が業務に当たることで各窓口の業務負担が減る

とのことですが、さらに経済状況が悪化すれば、相談件数の多い状況が続きます。

引き続き、未設置区への窓口設置と、適宜適正な増員を行うよう強く求めます。

 

次に議案第67号 令和2年度千葉市一般会計補正予算のうち、

(1)子育て世帯への市独自の臨時特別給付金(10億円)についてです。

国の臨時特別給付金に市単独で上乗せ支給を実施するものですが、休校、登園自粛等によ

り、各家庭での家計負担が増える中、助かる世帯も多く、賛意を表します。しかし、ひとり親家庭ではより、厳しい生活苦を抱えている家庭が多い中、児童扶養手当金の上乗せを国の決定を待たず、先に給付することも検討できたのではないか、困窮度が進むことによる家庭不和などの声も聞かれ、今後の早急な支援体制の検討を要望します。

 

次に

(2)住居確保給付金(2億円)について です。

住宅を失ったり、失うおそれのある生活困窮者等を支援するための従来からある給付金ですが、今回要件が緩和されたことから、支給件数が急増したことへ対応するための予算措置であり、迅速な対応を評価します。

一方、対応する職員不足のため、申請から給付までに時間を要した時期もあり、各区援護課のケースワーカーが訪問業務の削減によりできた

時間で対応したとのこと。

しかし、これからの経済状況によっては、雇用状況の悪化、収入減による影響で、本給付金の申請件数は増えることも考えらえます。

すまいの確保は生命にかかわる重要な支援であることから、必要な方へ迅速に支給できる体制整備となるよう適切な人員配置と、広報に努めることを求めます。

 

次に

(3)養育費確保促進(150万円)についてです。

ひとり親家庭が養育費を確実に受け取れるよう、保証会社との養育費保証契約締結に係る保証料を助成するとのことですが、そもそも養育費の取り決めがあることが前提の助成であり、効果を得られる世帯がどれだけあるのか疑問です。

しかも助成は1年で、その後は約1か月の養育費分を保証料として納めてまで、継続利用するひとり親がどこまでいるでしょうか。

千葉市としては、まず、離婚届提出時の窓口業務との連携など、養育費の取り決めを積極的に行うことを要望します。

 

次に

(4)医療・介護従事者等支援金(2億200万円)について

新型コロナウイルス関連の業務を担った関係機関及び、感染拡大期にも社会活動を続けるために必要なケアを続けた介護・障害者福祉サービスの事業所にし、支援金を支給するとのことです。

最前線で業務を担う医療機関の減収やリスクに見合う金額ではないものの、市民の寄付も活用した新たな取り組みに賛意を表します。

また、経済活動を支えるために必要な保育・学童事業者への支援と比べ、介護・障がい者サービス事業所等への支援が、十分な金額でないこと、また事業所への補助であり、ケア従事者に対する評価が見直されなかったことは残念です。社会において真に必要な業務に対する評価を今後しっかりと議論し、国の動向をとらえつつ、千葉市としても必要な充実を求めます。

 

次に、GIGAスクール構想の実現、(54億)について

新型コロナウイルス対策を契機として発出した「ちばしチェンジ宣言!」の趣旨には強く共感し、期待をするものです。特に、教育が変わる!として、時間と場所を選ばない学習環境の整備方針は特に注目しています。

国のGIGAスクール構想は、2018年度からの「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」として、子ども一人一人に最もふさわしい教育を~と位置付けられておりました。新型コロナウイルス感染拡大を受けて、家庭でもつながる通信環境の整備など、「GIGAスクール構想」におけるハード・ソフト・人材を一体とした整備を加速することで、災害や感

染症発生時等による学校の休校時にも、子どもたちの学びを保証できるとして、大幅に予算を積み増したものです。

 しかし、教育委員会のこれまでの答弁によると、一人一台の端末とネットワーク環境整備の円滑な導入が先行し、国が目標水準としている、4校に1人のICT支援員の配置の見込みは不透明です。運用開始は令和3年度とまだ先ではありますが、各学校への多量の端末や、電源キャビネットの整備が進み、運用を構築する局面で、千葉市全体で2名のICT支援

員しかいない状況は不安です。早急なICT環境整備に向けた人員体制強化を求めます。

また、家庭でもつながる通信環境の整備は、千葉市では後回しにされている様子がうかがえます。オンライン学習によって不登校児童生徒が学習に参加できた事例や、オンライン双方向によるクラスルーム実施により、コミュニケーション不足による不安解消など、好事例があるにもかかわらず、千葉市では、休校中に先生方が、試験的にオンライン実施

した例はおろか、問い合わせもなかったと伺いました。日ごろの教育委員会、学校現場の組織体制の在り方が表れているのではないでしょうか。先例がないオンライン教育は実施すれば何かしら問題や課題がでます。できることから始め、問題解決しながら推進していく、そういった姿勢が必要です。

コロナ禍の今こそ、オンライン教育の特性を生かした積極的な取り組みを求めます。

市長は教育委員会と有効な活用方法について徹底的に議論を進めている、とのことですが、議会の審議内容からは、検討の遅れを感じずにはいられません。ICT教育については現場の先生方のモチベーションを最大限に生かし、ICTが苦手な先生も子どもたちと学び合う姿勢こそ必要なのではないでしょうか。『ちばしチェンジ宣言!』が教育現場で実現され、子どもたちが自ら学び・育つ教育体制に変革されることを期待します。

 

最後に、議案第68号 令和2年度千葉市学校給食事業特別会計補正予算について

学校給食食材支援金の支給については、学校給食を円滑に再開するために必要な予算措置として賛意を表します。一方、休校で給食が食べられない子どもの栄養状態が気になるところであり、準要保護児童生徒については、就学援助の形で給食費分の支給が検討されなかったのは残念です。今後再度休校となる状況があれば、文部科学省の通知でも就学援助での給付ができるとの例示もあることから、千葉市においても検討を進めるよう要望いたします。

 

私たちは新型コロナウイルス感染症対策による自粛生活の中で、誰もが考えたであろう、生きるために必要な最低限のものはなんなのか、それぞれの人の価値観の中で幸せを考える貴重な時間を過ごしました。当たり前に過ごしていたより多くのお金を稼ぐための経済活動や、より良い成績を目指すことが良いとされる学校教育へ安易に戻ることはやめ、それぞれの人が心地よく過ごせるだけの収入と時間のバランスを保ち、個々の選択を尊重し、人と繋がり助け合える生活へ、一歩踏み出すチャンスと考えます。これからの未来を見据え、行政で今行うべき事業は何なのか、子どもたちへの借金を増やして今お金を使うことに価値あるのかを見極め、様々な決断をしていく必要があります。

ここ数か月、市長が判断に至る経緯から丁寧に説明する情報開示の姿勢に、たくさんの信頼の声が届きました。これからは、市民自らが自分の生きる幸せの在り方を決め、助け合い人とつながるための地域づくりを後押しできる千葉市を目指し、市民参加型の公共政策の在り方を今以上に進めることを要望し、私の討論を終わります。

ご清聴ありがとうございました。