生活自立・仕事相談センター委託事業について
景気はゆるやかに回復と言われておりましたが、その一方で自殺や虐待のニュースが絶えません。その裏には経済格差が広がる社会の構図があり、非正規雇用の拡大により働いても、働いても生活が苦しい、ワーキングプアの増大や、ネットワークを持たない孤立した失業者、ひとり親家庭の困窮、年金のない高齢者の増加など、あらゆる問題が顕在化しております。
千葉市においても生活保護受給が増え続け、市財政への圧迫が懸念されている中、本来サポートがあれば自立し、市税を納める側に転換できる市民を少しでも増やしていくことが大事です。「制度の隙間」におかれ、複合的な課題を抱えている生活困窮者に、個々の状況に応じた適切な支援を実施できるかが問われていると考えます。
生活困窮者自立支援法の目的は「生活困窮者の自立の促進を図る」とありますが、厚生労働省ではこの法の理念の中で、二つの目標を説明しています。一つは自立と尊厳の確保、もう一つは支援を通した地域づくりです。また、地域を主役として、国と自治体、官と民、民と民が協働して地域の支援体制を創造するとしています。
千葉市においては平成25年12月よりモデル事業として民間委託により自立支援のための窓口設置を行い、就労準備支援、家計相談に取り組んでおり、生活困窮者自立支援法施行の平成27年4月よりは必須事業として自立支援相談事業及び住宅確保給付事業を行うのみならず、自治体による格差の大きいとされる任意事業についても積極的に行うことを決定しており、評価すべき点だと考えております。その中でも、貧困の連鎖防止のために行われている学習支援ですが、困窮世帯へも本年度より拡充し、実行されていることは評価したいところです。
運営にあたって一部改善なども検討できる部分もあると考え、今回は生活自立・仕事相談センターの委託事業及び学習支援事業について伺います。
事業の評価、課題について
まず、はじめに生活困窮者自立促進支援事業について伺います。
新規の相談件数は平成25年が12月から、平成27年度は12月までの数値であり単純に比較はできませんが、着実に件数は増加しており、本事業によって生活困窮者の自立が進むことが期待されます。そこで伺います。
本事業に対する評価と課題、今後の方向性についてどのように考えていますか。
窓口増設を予定されておりましたが、このことについての見解も合わせてお願いします。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
はじめに、生活困窮者支援についてお答えします。
千葉市生活自立・仕事相談センターの評価と課題、今後の方向性についてですが、
平成25年12月にモデル事業を開始して以来、相談者数は着実に増加してきていることから、制度が浸透しつつあると考えております。
また、課題と今後の方向性につきましては、同センターへの相談者は、設置区にお住まいの方に偏り、他の区の居住者が少ない傾向があるため、今後も、第二次実施計画に定めた窓口の増設について検討して参ります。
計画策定について
子どもの貧困は見ようとしないと見えないと言われています。非正規雇用による低賃金により、仕事の掛け持ちをして余裕がなかったり、うつなどの精神疾患、夫からの暴力や虐待ネグレクト、障害など様々な複合的な要因によって、親が人との関わりを拒絶する場合も多いです。最近では洋服もリサイクルや安価な新品で手に入るため、見た目にはわからないが、食事が給食のみという貧困のケースもあるそうです。自分から貧しいと言い出す子どもはほとんど居ないため、子どもは貧困の影で、見つけてもらえるのを待っている状態なのです。
経済的な貧困は子どもの心の貧困を生み、不登校や引きこもりとなりやすく、生涯にわたって不利な状況となることも多いです。また孤立感から早期結婚・妊娠・離婚となり、不安定な生活から心身を壊したり、虐待・DVを繰り返すなど、貧困の連鎖となっていく現状があります。
子どもたちは、貧困の状況や、虐待を受けていたとしても、親を恨むことは稀で、親も様々な理由で苦しんでいることを理解し、親に迷惑を掛けないようにと願っています。友達と出掛けたくても、貧困の子どもたちには一般的な家庭でできる、友人とのランチや買い物をすることができないため、お友達との交流自体を避けるようになります。
このような「見ようとしないと見えない子どもたちの貧困」ですが、社会においても6人に1人もいるの?と言った意見が多く聞かれます。そういった社会の理解不足が更に、子どもの貧困を隠していくのでは、とおっしゃっている方もいます。
2013年6月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が議員立法により成立し、2014年に施行。同年8月には「子どもの貧困対策に関する大綱」が閣議決定され、少しずつですが社会問題として解決に向けて動き出しています。
そのような中、子どもの貧困に関するデータ把握も全国的に進んできており、(スライド⑧)毎日新聞では山形大准教授の独自の分析により都道府県別の貧困率が発表され、沖縄タイムスでは算出が難しいとされている地域版貧困率を県が算出した記事が特集で掲載されたほか、東京新聞においては沖縄県内の子供の実態を「見える化」した、今回の地域版貧困率算出そのものが全国的に広まっていないとの指摘がされています。
さて、千葉市では、来年度の計画策定にあたり、実態把握をアンケート調査でおこなうとのことですが、どのようにすすめていくのでしょうか?対象者、手法等について、またスケジュールについて伺います。
(こども未来局こども未来部こども家庭支援課)
(こども未来局長答弁)
子どもの貧困対策についてお答えします。
計画策定にあたり、子どもの貧困の実態把握をどのように 進めていくのかとのことですが、
現に経済的に困窮している方や困難を抱えやすい状況に ある方を対象として、新年度早期にアンケートを実施することとしております。
具体的には、生活保護世帯や児童扶養手当受給世帯、児童養護施設の児童などを対象として、生活や学習の状況、必要としている支援等を把握するとともに、教育、福祉、雇用などの関係機関が連携して、その対策の検討を行い、平成29年3月までに、総合的な施策展開を図ることのできる計画の策定を目指して参ります。
昨日の一般質問でも話題となっておりましたが、最新の平成26年度の合計特殊出生率は全国1.42のところ、千葉市は1.32という状況です。人口ビジョンで掲げた千葉モデルとして最多ケースの前提としている2030年の合計特殊出生率1.68を達成するのは、現状の施策のままでは全く届く値とは思えません。そんな中でも産前産後のサポート事業はかなり重要な位置づけと考えます。女性が子どもを産み育てることに対して良いイメージを持つこと、育児環境が整っていて育てやすいから千葉で産みたい、と思えるような施策を検討する必要があります。
産後女性の現状について
女性が出産後、授乳とおむつ替えなど赤ちゃんのお世話に昼夜明け暮れる毎日から、ほっと一息つけるようになるのは、産後3~4か月が経ち、赤ちゃんの睡眠リズムが少し安定する頃となります。もちろん個人差はありますが、退院後自宅に帰ってから、確かに可愛い我が子ではあるのですが、話し相手にならない、扱い方も自信がない、そんな中で、一人で孤立奮闘している女性が多くいます。
現在の核家族化、地域交流の減少、さらに夫の帰宅時間が遅くなるなどが重なり、周囲に支援者がいない場合には育児不安・心身の不調を一人で抱えることとなります。産後うつの原因としては、ホルモンの急激な変化や育児不安、社会的孤立からの無力感、孤独感など、肉体的・精神的疲労など多数の要素があげられており、出産後半年ごろまでに発症するとされ、現在10人に1人がなるとされています。
産後うつになると、頭痛、倦怠感など身体への変化だけでなく、家事ができない、スケジュールが管理できないなど生活への影響もあり、落ち込みが激しい場合など自殺を図るような大変なケースも起こります。また、厚生労働省の調査の結果、児童虐待後の死亡例のうち、母親の産後うつが要因と考えられる例が約4.4%あったとのこと。そこで伺います。
市では産後うつの可能性のある方や育児環境や心身に困難を抱えているなど支援を必要とする方をどのような方法で実態把握をしていますか?
(保健福祉局健康部健康支援課)
(保健福祉局次長答弁)
次に、孤立する産後女性への支援についてお答えします。
産後うつの可能性がある方や、困難を抱えている方の実態把握の方法についてですが、
本市では、妊娠届時の専門職による全妊婦への面接、「新生児・妊産婦訪問指導員」による「新生児訪問」、「地域保健推進員」による「2か月児訪問」のほか、医療機関からの情報提供を含め、その把握に努めております。
それらの事業においても産後女性の状況確認ができない場合には、「乳児家庭全戸訪問員」が訪問し、4か月までの乳児のいる全ての家庭の実態把握を行っております。特に、新生児訪問では、母親の抑うつ感や不安感を数値化する「EPDS」(エジンバラ産後うつ病質問票)を活用し、産後うつの可能性の早期発見に努めております。
利活用計画について
今回はこちらの国有地の利活用として、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉の3事業において提案したことを伺い、事業間での連携や地域交流の視点から質問をさせていただきます。
21世紀の社会は共に生き、共に創る共生・共創の時代と言われております。近年、年齢や障がいの有無にかかわらず地域に開かれた横断的な利用が可能な、地域に根差した支え合いを行う、「共生型福祉施設」に注目が高まりつつあります。
特に保育園と高齢者施設を併設するなどの複合施設では幼老統合ケアとして「高齢者ケアと次世代育成を融合・連携させることにより、費用対効果やケアの質の向上、高齢者の生きがいづくり、教育的効果などを目指した取り組み」が行われ、結果、ケアの一方的な受け手であった高齢者や子どもが、ケアの与え手にもなり、子ども・高齢者双方の福祉向上につながることで注目されています。
そこで伺います。今回の土地の利活用計画について、どのような構想を持って、国へ提案を行ったか。その際に、例えばコミュニティカフェなどの設置など、異事業間での交流や、地域との交流のためのスペース設置について、庁内において検討を行ったか、伺います。
(総合政策局総合政策部政策調整課)
(保健福祉局高齢障害部高齢施設課)
(保健福祉局高齢障害部障害福祉サービス課)
(こども未来局こども未来部保育支援課)
(総合政策局長答弁)稲毛区轟町の国有地利用についてお答えします。
まず、利活用計画について、どのような構想をもって、国へ要望したのかについてですが、
この国有地の利活用を全庁的に検討した結果、認可保育所の定員超過や特別養護老人ホーム、障害福祉サービス事業所の不足といった状況から、各施設を整備する必要性が高いことや、各施設と近隣の学校等との連携や地域との交流が期待されることなどを総合的に勘案し、国に貸付要望したものであります。
次に、コミュニティカフェなど、地域と交流するためのスペースについては、単独での設置は、国有地の貸付対象と認められず、また、市の整備計画上の位置づけはありませんが、
公募事業者が、整備する施設内に、社会福祉法に基づく施設・サービスの範囲内で「地域交流スペース」を提案に盛り込むことも可能であると考えております。
生活困窮者支援について、2回目以降の質問を行います。
先ほどのご答弁によると、中央区と稲毛区にある「生活自立・仕事相談センター」への相談について、設置区以外の相談者が少ないとのことですが、本年度の
両センターへの相談者の居住区はどうなっているか、数値でお示しください。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
両センターへの相談者の居住区は、
相談者が最も多い中央区が 約23%、
次いで、 稲毛区が 約22%、
花見川区と若葉区がそれぞれ 約13% となっております。
大規模団地をかかえる花見川区や公営住宅や無料低額宿泊所の多い若葉区には困窮者からの相談のニーズは多いのではないでしょうか。生活保護受給者数の各区の分布をみても、中央区に次いで若葉区となっており、現在若葉区に窓口が設置されていないことで、相談できていない困窮者も多くいることが予測されます。今後も引きつづき、窓口増設に向けた検討を要望したいと思います。
次に16年度予算について伺います。
新たにシェルター設置費用を計上していますが、その必要性についてどのように考えているか伺います。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)生活自立・仕事相談センターに寄せられた相談の中には、住居がなく、生活再建のための足場作りから必要な事例もあります。
これまでは、民間団体が運営するシェルターの提供を受けるなど、地域資源との連携により支援を行って参りましたが、今後も同様の事例は少なからず起こりうることから、来年度からシェルターの提供を行う「一時生活支援事業」を生活困窮者支援制度の中で実施しようとするものです。
16年度予算において、中央区に自立相談支援員が1名増加となっております。相談件数を見ると稲毛と中央に差が無いように思いますが、内訳部分をトータルすると、ご覧のように、27年度については、稲毛の方が多くなります。つまり、一人に対して必要な支援が多数あるケースもあり、複数支援の実態があるために、相談人数としては件数が伸びていない状況です。
厚生労働省の「自立相談支援事業の手引き」では「生活困窮者の多くは複合的な課題を抱えていることから、自立相談支援事業の運営に当たっては、出来る限り対象を広く捉え、排除の無い対応を行うことが必要である」となっているとのこと。
相談件数という数字だけでは捉えられない各事業者の成果についてはどのように評価したのでしょうか?その上で、中央区に自立相談支援員を1名増員することとした判断理由を教えてください。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
生活自立・仕事相談センターには、複合的な課題を抱え、多くの支援が必要な方からの相談も数多く寄せられており、両センターの受託事業者はそれぞれの特徴を生かした支援を行っております。
一例を申し上げますと、同センター中央では「千葉市社会福祉協議会」が、そのネットワークを活用した支援を行い、また、同センター稲毛では「応援ネットワークちば企業体」が、地域資源の把握や創出など、民間のノウハウを生かした支援を行っていると承知しており、それぞれに高く評価しているところです。
そうした状況の中、来年度に中央の自立相談支援員を増員する理由は、今年度における新規相談件数の伸び率が高く、新年度においても引き続き相談件数の増加が多く見込まれることによるものです。
本来は次年度の公募に入る前に、本年度の運営にあたっての評価を事業者と行い、また事業改善に向けての協議など事前に行う必要があると考えます。その協議を踏まえ、次年度要領を策定するべきではないでしょうか。来年度の増員を決める際に相談件数の伸び率だけで決めて良いのか疑問です。
先ほど予算化されたシェルター設置については、委託事業者が地域資源の創出を自らのリスクで行ったことであり、きちんと評価する体制が必要と考えます。意欲のある民間団体のモチベーションを保ちながら、制度を効率よく運営していくためにも、こういった事業を行う人的資源についても、きちんと評価する体制が必要と考えます。
現在、国が直接、計画的に支援員の養成を行うとされていますが、実際には事業を担う人材育成の機会は限られており、現場レベルでは 今後、窓口による支援内容の相違が出ないためにも、両窓口及び保護課含め、定期的な協議、情報交換などの場が必要と考えますがいかがでしょうか。見解を伺います。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
これまでも、不定期に両センターと本市の3者による情報交換等を行って参りましたが、今後、支援
内容の共有化を図るため、定期的な開催に向けた検討を行って参ります。
不定期に開催していたとご答弁頂きましたが、私の方では年度に1回、運営のための委託内容の確認として3者がそろうことはあった程度と伺っておりました。今後は支援内容の共有化を図るために定期的な開催を検討していただけるとのこと、ぜひ委託事業者ごとの得意分野を生かせるような情報交換の場づくりをお願いします。
次に業務委託契約について伺います。衆議院での付帯決議では、「生活困窮者は心身の不調、家族の問題等多様な問題を抱えている場合が多い。また、問題解決には時間を要することも多いことから、個々の生活困窮者の事情、状況等に合わせ、包括的かつ継続的に支えていく、伴走型の個別的な支援のための体制を整備すること」等が求められております。そのような支援をしてくためには、委託業者が頻繁に変わることは望ましくないと考えられます。そこで伺います。本事業の契約が、単年度契約であることについてどのように考えていますか。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
生活自立・仕事相談センターの受託事業者については、毎年度、企画提案方式による選定を行った上で、新たな契約を締結しております。
これは、本制度の開始からまだ日が浅く、現時点では、毎年度、柔軟に運営体制を見直す必要があるとともに、今後のセンター増設に向けた検討も見据え、長期契約による体制の固定化を防ぐ意味からも必要なことであると考えております。
現時点での方針については理解をいたしましたが、長期で契約ができないということにはならないのではないでしょうか。委託事業者においても毎年度継続できるかわからない事業をどのように長期的なビジョンをもち計画していくのか、予算についても目処が立たず、事業運営にも支障をきたすこともあると考えます。
今後の契約のあり方についてどのように考えているか、伺います。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
生活困窮者自立支援法は、平成27年4月に施行され、施行3年後に見直しが予定されていることから、当面は柔軟な運営体制を確保する必要があると考えております。
なお、今後、制度が定着し、実施体制が固まった時点においては、長期的に安定した事業運営が可能となる方法について、検討を行って参ります。
人を支えるために長くかかわる事業であり、ノウハウもネットワークも構築にある程度時間がかかる事業です。今後、長期での契約にするべきと考えます。
ぜひ、委託事業者が安定した運営が可能となるような体制について検討をお願いします。
本年度は3月に入ってからの企画提案書受付となっており、プレゼンテーション開催が3月25日、選考結果の通知は3月下旬となっており、おそらく新年度が始まる数日前という状況です。せめて募集の時期を早めるなど、対策をお願いします。
次に、学習支援事業について伺います。
これまでの学習支援事業の実態を平成24年度から27年度について教えてください。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
現在、各保健福祉センターで週に2回、各2時間ずつ開催しております。
各年度の開催回数と参加者数は、いずれも延べの数字で
平成24年度は 492回開催し、参加者数は 4,372人、
25年度は 462回開催し、参加者数は 3,066人、
26年度は 450回開催し、参加者数は 3,260人、
27年度は、12月末までに342回開催し、参加者数は2,819人となっております。
今ご答弁いただいたのは参加数とのことでしたが、以前稲毛区において視察させていただいた時に、名簿上の申込者と参加者数は違うことを理解いたしました。そこで、今回頂いたデータを基に、集計したところ、スライドのようになりました。申し込みをした子どもたちがなぜ参加していないのか、それぞれの事情はあると思いますが、参加率の低さが気になります。また、
平成26年度については月別で参加率を算出したところ、ご覧のように年度後半に向けて減少傾向が明らかです。
効果的に受講してもらうために今までに行ってきている対応策があれば教えてください。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
学習支援事業への理解を促し、参加者増を図るため、昨年度より、生活保護受給世帯に属する中学2年生・3年生の保護者に向けた説明会を開催するとともに、今年度からは参加が低調な生徒への面談やアンケートを行って、学習支援事業への参加を促しております。
学習支援は貧困の連鎖を断ち切るために大変有効な施策と考えます。様々な対応を行っているのはご答弁より理解いたしましたが、現状の参加率ではもったいないと考えます。学習が重要なことは本人もわかっていると思います。でも中学生にとって、またもともと学習に対しての意欲が低い子どもたちにとっては、現在の学習支援のあり方だけではハードルが高いのではないでしょうか?
折角、場所と先生を手配して運営するのですから、対象の子どもたちが参加したくなるような運営を検討していく必要があると考えます。
「生活困窮法」の問答集でも、学習支援事業は、「貧困の連鎖の防止のため、勉強を教えることと併せて、居場所の提供を通じて、日常生活習慣の形成・社会性の育成を行うこと、生活相談、進路相談、中退防止の支援を行うこと、子どもの支援の視点から世帯に対する相談・就労支援を行うこと」等として、事業実施の意義を明確にしているそうです。そこで、千葉市においても、 学習支援を居場所として捉えることについて伺います。
学習効率を上げるためにも、空腹を満たすために学習前に軽食を付けることや、終了後にお茶菓子程度を用意して、懇談する時間を設けるなど、居場所としての役割を追加することをどのように考えますか。施設は原則として飲食禁止と伺っておりますが、解決方法を検討することも含めて、市の見解を伺います。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
学習支援事業への国の補助金は飲食に使用することができないため、本市の事業として軽食等を提供することは困難でありますが、民間団体等からご提供いただけるような場合には、個別に施設管理者等関係機関と協議して参ります
本当は学習前にその場で軽食を食べられることが理想ではありますが、例えば、近隣の調理室のある公共施設などで、サークルやNPOによる「子ども食堂」的な活動や支援事業がある場合に、本学習支援受講対象者へ案内することは可能でしょうか?
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)サークルやNPOなどの民間団体から、学習支援の受講生向けの事業のご提案をいただいた場合には、学習に支障のない範囲で受講生への案内は可能であると考えます。
今後、地域の住民による支援希望がありましたら、ぜひご対応よろしくお願いします。
また、市としても様々な支援追加が検討できると思います。今後も実施可能なサポートについて他
都市など事例を調査検討し、子どもたちが行きたくなる学習支援の運営をお願いします。
次に対象者への周知について伺います。
学習支援事業の対象者への現在の周知方法はどのようになっていますか?
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)生活保護受給世帯に属する中学2年生・3年生の保護者に対して、担当ケースワーカーより周知するとともに、生活困窮世帯の生徒については、生活自立・仕事相談センターへの相談や、児童扶養手当受給者に対する案内に努めております。
困窮家庭への周知が今一つ足りていないと考えます。
また、困窮家庭へのアナウンス方法として、就学援助受給家庭へ告知するのはいかがでしょうか?
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
中学2年生・3年生が属する世帯の就学援助の認定の際、その世帯に学習支援事業の案内を行うことは効果的であると考えられることから、今後、実施に向けて検討して参ります。
直接子ども達にも情報が届く方法についても検討し、本事業の周知を図るよう要望いたします。
最後に学習支援事業の今後の方向性について伺います。
例えば入学後の中退率が高いこともあり、高校生を対象とすることや、できるだけ早期に対応すると
いうことで小学生を対象とすることなど、学習支援事業について、拡大する予定はありますか?また、大学生が子どもたちと身近に接する貴重な機会となっていることを評価していますが、今後の学生ボランティアの拡大についての見解を伺います。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
新年度につきましては、新たな広報・周知の方法を検討し、参加者の増加状況を確認したうえで、対象学年の拡大やボランティアの増員について検討して参ります。
今後も対象者については、本事業の目的と成果を常に確認しながら、実施を拡大するように要望いたします。
<2回目>
子どもの貧困対策について、2回目の質問をします。
1回目のご答弁では、貧困の実態把握のためのアンケート調査について、現に経済的に困窮している方や困難を抱えやすい状況にある方を対象として、新年度早期にアンケートを実施するとのことでした。
アンケート実施については指標となる項目と関連させる必要があると考えます。関係者間で充分に検討の上での実施が必要です。しかし、計画策定及び支援の実施は急ぐ必要もあり、ご答弁頂いたように、来年度中の計画策定を目指し、しっかりと進めて欲しいと思います。
千葉市ならではの対策をしっかり検討し、現在よりも子どもの貧困の状況が改善されるような新たな施策が必要と考えます。何に力を注ぐのか成果指標を含め、見える化できるような計画策定をしてほしいと考えます。
計画を確実に実行していくための組織について伺います。
子どもの支援を行うに当たっては、子どもへの支援のみならず、保護者への支援など、子どもの周囲にある環境すべてに働き掛けていく必要があります。地域の市民も含め、行政においても縦割りではない、多部署での連携が必要です。そこで伺います。
千葉市では、子どもの貧困に対応するための組織についてどのように考えていますか?
(こども未来局こども未来部こども家庭支援課)
(こども未来局長答弁)
子どもの貧困対策は、教育や生活・就労の支援等、様々な施策を総合的に実施する必要があることから、貧困対策を効果的に推進するため、庁内関係各課による新たな連携会議の設置を検討して参ります。
ぜひ、横連携をしっかりとれる実行性のある会議設置をお願いします。
次に居場所としての子ども食堂について 伺います。
子どもの貧困を背景に全国的に広がる、居場所としての「子ども食堂」事業ですが、これらの事業者への補助を決めた福岡市、大分県。自治体自らが運営を行うことを決めた北九州市や、堺市もあります。国においても、ひとり親家庭の子どもの生活向上を図るための居場所づくりとして、「子どもの生活・学習支援事業」に対する自治体の取り組みを支援することを決めております。
市内においても実際に何件か「子ども食堂」を開始する動きがありますが、全国的な「子ども食堂」立ち上げ、及び市内の「子ども食堂」について、市ではどのように考えていますか?
今後自ら運営することや、市内で行われる「子ども食堂」等事業者への補助など検討をしますか?
(こども未来局こども未来部こども家庭支援課)
(こども未来局長答弁)
「子ども食堂」につきましては、全国的に様々な形態で実施 されており、経済的に困窮する世帯や親の就労などのために、一人で食事をとる子どもたちを支えるほか、異年齢交流や地域の大人との交流により、心豊かな子どもを育む効果なども 聞かれており、大変、意義深い取り組みであると考えております。
また、「子ども食堂」の運営に関する補助等の支援につきましては、本市内で行われる子ども食堂の運営状況や事業効果などを確認し、支援の是非を検討して参ります。
「子ども食堂」といっても、様々な目的で事業を行っているケースがあります。困窮しているひとり親世帯の親子が食事を求めて参加するだけでなく、地域の居場所として、帰宅の遅い両親共働き家庭の子、独居のお年寄り、一人暮らしの大学生など、孤食の方が一緒にご飯を食べるために集うことで、多世代交流の場となるケースも聞きます。市として、事業内容や効果を確認し、支援の是非を決めることに、難しさがあることは理解します。しかし、困窮者のみの支援として事業を行うこと自体が難しい業態であることも視野に入れ、こういった居場所事業への支援について、しっかり検討をして欲しいと思います。
先日、福岡県内の中学校で朝食を支給している例があるとのことで、視察に行って話を伺いました。西日本新聞の記事では、「朝ご飯習慣
学校から」「食の大切さも伝えたい」との見出しで掲載されました。千葉市における学習支援事業でも、行きやすい場所に移すべきかといった議論もありますが、行きやすい場所はつまりは知り合いに見つかりやすい場所となるため、今の保健福祉センターの方が良いといった子どもの意見もあることからも、子どもの貧困への支援に関しては、いじめに繋がることがあるなど、子どもたちの視点に最大限配慮することが必要です。
貧困支援として「わかりやすく」行うのではなく、食育の視点から食事提供や調理実習の場づくり、孤食防止や多世代交流といった居場所運営などに支援を一体化させることによって、人と繋がること、人の温かさに触れる経験が子どもたちの「生きる」力に繋がるという事実は様々な取材などでも明らかになっています。
子どもの貧困対策としての居場所づくりについて、千葉市において、どのような枠組みで居場所事業を行っていくことができるか今後も検討を進めることを要望いたします。
次にプラットホームとしての学校におけるSSWの活動について伺います。
子どもの貧困の問題点としてよくあげられるのが、経済的な貧困が心の貧困につながることです。自己肯定感や自尊心を損ない、体調不良を訴える子ども達もいます。これに気が付ける場所として、学校が考えられます。現在、市内で4名配置されているSSWは貧困のために配置されているだけではありませんが、貧困の子どもたちに対して果たす役割も大きいことは確かです。
福岡市ではSSWは市内中学校の半数に配置されており、日常的に子どもと触れ、変化に自ら気づくことができるとのことを聞いておりますが、現状千葉市内のSSWは教育委員会への配置となっており、日常的に子どもの様子を見ることはないと聞いています。
そこで伺います。現在のソーシャルワーカーの業務内容について市ではどのように考えていますか。また、国においては子どもの貧困対策会議において平成31年までに全中学校区に1名の配置を進める指標を決定しておりますが、市としての今後の増員に向けての考え方をお示しください。
(教育委員会学校教育部指導課・教育センター・養護教育センター)
(教育次長答弁)
本市のスクールソーシャルワーカーは、学校からの派遣要請に応じて、家庭訪問や関係機関との支援ネットワーク作り等に取り組んでおります。
また、ケース会議や校内研修会に参加する際には、教職員にスクールソーシャルワーク的な視点や手法について助言し、子どもが置かれている環境の改善を図っております。
なお、今年度は2人増員し、現在は4人体制で問題の解消・改善に努めておりますが、引き続き、事業効果を検証した上で、派遣の在り方や増員について検討してまいります。
現在はSSWへの対応を必要とする学校から教育委員会で相談を受け、SSW派遣が必要であると判断した場合に各学校などへ派遣されると伺いました。又、本年度の2名増員により対応件数も倍増しており、学校側でのSSWの役割についての理解も深まってきていることを評価しております。しかし、更に現場で関わってもらうことで効果が広がると考えており、増員・学校配置については、国へ補助の拡大を求めていくとともに、スピード感を持って前向きに検討を進めることを要望いたします。
次は、経済支援についてです。
貧困の子供たちの自立のための経済支援、ひとり親世帯に対しての更なる支援が必要とされています。国における経済支援策として、昨年10月、学習支援、児童養護施設出身者への支援、子ども食堂を運営する生活支援などに寄付するための「子供の未来応援基金」を創設しましたが、認知度が低く、2016年1月時点で1600万円しか集まっておらず、到底、全国的に貧困対策に活用できる金額には到達しそうにもありません。
先日の教育未来分科会の中では、教育みらい夢基金について、給付型奨学金として支出できないかとの質疑がありましたが、現状では難しいことは理解しました。子どもの貧困対策としては、様々な支援が現政策の中でもすでに行われていることについて理解するものの、千葉市において現在の支援内容では足りていない部分は多く、就学援助や児童扶養手当でも不足すると思われます。入学時の準備品代、こちらの記事によると公立中学校に入学する女子で約9万円かかります。また部活動への参加などの学校に関連する支出など、ひとり親家庭への資金的援助、また、施設退所後の児童のための住宅支援や困窮者への食品提供を行うフードバンクなど、社会的養護・困窮家庭への支援を行う事業者に対しての資金援助を行うことについて、見解を伺います。
(こども未来局こども未来部こども家庭支援課)
(こども未来局長答弁)
ひとり親家庭の状況につきましては、平成25年度に実施したアンケートによりますと、現在の生活における悩みとしては、経済的に苦しいことのほかに、子どもの教育に関すること、仕事と子育ての両立が難しいことなどが上位を占めており、資金的な援助だけではなく、個々の家庭の状況に応じたきめ細かな支援が必要であると認識しております。
また、社会的養護・困窮家庭へ支援を行う事業者への資金的援助につきましては、その取り組みや運営状況などが様々で あることから、事業者の状況を把握したうえで、研究して参ります。
千葉市においても、子どもの貧困対策を慈善として捉えるのではなく、子どもたちが自立した大人となることが未来への投資に繋がるという意識が必要ではないかと思います。その上で一つ提案です。国と同様に、千葉市の子どもの貧困関連に活用できる寄付の仕組みをつくってはどうでしょうか。貧困の子どもたちへ直接支援を届けたいと思っている市民は実は多くいます。しかし、貧困の子どもたちはどこに居るのかわからない市民にとって、直接支援できる場がありません。
具体的な支援メニューを作り、支援者が自分の支援したいメニューを選び、寄付ができる仕組みとすることで、寄付の透明性から、寄付へのモチベーションが上がり、また具体的な支援メニューを示すことで、そういった支援が必要な子どもたちが居ることを周知させることができると考えます。
制度設計は難しい部分もあると思いますが、民間のクラウドファンディングなどでは、支援内容を選んで寄付を行います。支援対象者と繋がりのある公と、アイディア豊富な民で協働して、新たな仕組み作りを検討してはいかがでしょうか。市民に子どもの貧困の実態を知ってもらい、支援につなげるためにできることがあるのではと考えます。
次は、孤立する産後の女性への支援について、産後女性の状況につき引き続き2回目以降の質問をさせていただきます。
1回目のご答弁では、産後うつの可能性の早期発見のためにEPDSを活用して早期発見に努めているとのことでした。そこで、
EPDSによって把握されている件数及び産後女性の要支援の件数についてお示しください。
(保健福祉局健康部健康支援課)
(保健福祉局次長答弁)
平成26年度の新生児訪問4,103件のうちEPDSを実施した件数は、3,917件で、うち産後うつの可能性があるとされる9点以上の方は531人でした。
一方、産後の支援については、「新生児訪問」や「2か月児訪問」などにおいて支援が必要と判断されたケースに対して、引き続き支援をしておりますが、その件数については集計しておりません。
一回目の質問で答弁頂いた妊娠届時の専門職による全妊婦への面接が行われた際に、支援が必要な女性については把握されていると伺いましたが、どの段階でどんな支援をして、支援終了になったのか、または引き続き支援を続ける必要があるのか、件数が把握されていない状況であることは了解しました。では
その後支援が必要な方に対して、どのように継続した支援を行っていますか?
(保健福祉局健康部健康支援課)
(保健福祉局次長答弁)
支援が必要と判断した場合には、家族を含めた支援計画を立て「新生児・妊産婦訪問指導員」による状況確認を行います。
さらに、長期の支援が必要と考えられる場合には、地区の担当保健師が訪問や電話により育児支援を実施するほか、必要に応じて、医療機関とも連携を図るなど継続した支援を実施しております。
家族を巻き込んだ支援計画を立てられていることは大変良いと思います。
次に産後女性への情報提供について伺います。
産後に一人で困難を抱えないための予防として、情報提供のあり方はとても大事だと考えます。
現時点でどのような情報を産後の女性に届けているか、伺います。
(保健福祉局健康部健康支援課)
(保健福祉局次長答弁)
新生児訪問や2か月児訪問の際には、各種健診や予防接種、子育てに関する相談窓口などの情報を掲載したリーフレットや冊子を配付するほか、身近な地域の育児に関する情報をお伝えしております。
また、保護者同士の情報交換や育児不安の解消のための友達づくりを促進するため、市のホームページに育児サークルの情報を掲載しております。
各区でそれぞれ作成されている大変有効な情報チラシがあります。子育てサークルや子ども関連イベント情報について民間が地域活性化事業を活用して作成している若葉区の「○○ほっぺ」、こちらは市内の子育てイベント情報と区内の子育て支援情報が定期的な開催のサークルが上部に、その他は日付順に時間・活動場所・予約の有無・料金・内容・連絡先と必要な情報がコンパクトにまとめられており、毎月発行されています。また、美浜区が社会福祉協議会で作成している「子育てみはマップ」、地図上に開催場所ごとに子育て支援団体の紹介が、こちらには美浜区内の保育所・保育園の園庭解放の日程が1年分載っています。こういった情報は知ることだけでも、産後女性は自分の居場所、出かける場所があることで安心すると考えます。
⑤今後このような情報発信をどのような体制で行うか、どのタイミングどのような手法で届けることがよいと考えますか。
(保健福祉局健康部健康支援課)
(保健福祉局次長答弁)
現在、生後2か月の際に行っている地域保健推進員の訪問の機会を利用して、身近な育児情報を提供しており、これが効果的な取組みであると考えております。
ただ今のご答弁ですと、今後各区のチラシを産後の女性に直接配布できるかは、今後の検討次第と受け取れます。若葉区の「○○ほっぺ」は産後の女性からの評判が大変良く、常に確認するために、手帳に挟み込んで利用しているという声を聞きます。こういった状況を踏まえて、直接産後の女性に対して、配布をするための検討をぜひ前向きに進めていただきたいと思います。千葉市が子どもを産み育てやすい環境を作り上げるためにも、こういった民間による支援団体の情報や、情報提供ツールについて、官民による連携をしっかりと検討し、本当に必要な情報が産後の女性に直接提供できるよう、前向きに検討していただきたいと強く要望いたします。
次に最大の支援者としての夫への施策について伺います。
夫は産後女性の最大のサポーターです。昨年3月に閣議決定された少子化社会対策大綱の中でも男女の働き方改革を進めると重点課題の中で、男性が出産直後から育児を行えるよう、出産直後の休暇取得の促進を進めることを決め、さんきゅうパパプロジェクトとして、産後の女性が体力的にも精神的にも大変なとき、パパのサポートが必要とのことで、女性の状態を理解すること、そしてお互いの役割分担について考えてみようとしています。
千葉市ではイクメンハンドブックを母子手帳と共に配布するなど、千葉市独自の施策を行っており、評価するところであります。ぜひこれは継続をしてほしいと思います。
千葉市における夫向け講座について
平成26年度「少子化社会対策の大綱に関するインターネットアンケート調査」の報告書によると、男性の家事・育児参加の意義と必要性に係る教育や情報提供は「十分」1割と低く、男女ともに足りていないと感じているそうです。そんな中、千葉市ではプレパパママ講座やパパスクール、土日開催の両親学級など、夫向けの講座が行われていると聞いております。そこで、改めてお伺いします。
講座の目的・内容、参加者数についてお示しください。
(保健福祉局健康部健康支援課)
(保健福祉局次長答弁)
本市では、夫向けの施策として「母親&父親学級」と「土日開催の両親学級」を実施しており、その目的は、夫婦で協力して子育てを行うことの意識付けや父親の役割を認識していただくことです。また、内容としては、「母親&父親学級」では妊婦体験を、「土日開催の両親学級」では出産に関する講義などを中心に講座を開催しております。
昨年度の参加者は、それぞれ633人、401人となっております。(こども未来局こども未来部保育支援課)
(こども未来局長答弁)
夫向けの講座につきましては、これから父・母になる夫婦を対象に、特に父親が主体的に子育てにかかわる意義や、産後に必要な父母の役割等について、ワークショップ形式で学ぶ「プレパパママ講座」と、子育て中の父親を対象に、パートナーシップ講座や親子での工作や遊び講座等により、子育てへの積極的なかかわりを促す「パパスクール」を、平成26年度から実施しております。
「プレパパママ講座」の参加者数につきましては、26年度は全3回の連続講座を年4回実施し、延べ84組・172人、27年度は1回完結の講座を毎月実施しており、2月末時点で104組・210人の参加があり、キャンセル待ちとなる回も出ております。
また、「パパスクール」の参加者数につきましては、全4回の連続講座を年1回実施しており、父親の参加者数は、26年度は10人、27年度は13人となっております。
特に、プレパパママ講座はキャンセル待ちになるほどの人気もあるとのことですが、
プレパパママ講座について、市として参加者の感想や評価をどのように把握されていますか?
(こども未来局こども未来部保育支援課)
(こども未来局長答弁)
受講者へのアンケート調査では、
・「妻の率直な意見を知ることができた。」
・「コミュニケーションの大切さを再認識する良い機会になった。」
・「この講座をきっかけにして、出産や子育てについて夫婦で話し合っていきたいと思った。」
・「夫婦で協力して子育てをしていこうという気持ちになった。」
などの声が寄せられており、男性の子育てへの積極的な関わりや夫婦間におけるパートナーシップの醸成などに、大きく寄与 しているものと考えております。
内容について大変評価が高いことがわかりました。
今後、受託されている事業者の都合もあると思いますが、受講できる人数を増やすために、母子保健上での講座の連続回に組み込むことや、情報連携を更に工夫する等、プレパパママ講座の受講を増やすことをぜひ検討いただけたらと思います。
次に夫のためのサポート体制構築について伺います。
まず、長時間労働についてです。
ベネッセが2014年に行った乳幼児の父親についての調査では、「家事育児に今まで以上に関わりたい」と思う父親は9年間で10.3ポイントの増加、しかし、父親の家事・育児への関わりの実態は大きく変化していない上に、「子どもとの接し方に自信が持てない」と回答する率は増加しているそうです。その背景として、仕事からの帰宅時間が21時台以降と回答する父親の割合が依然約4割を占めており、この5年間での大きな変化は見られないそうです。
国においては、第4次男女共同参画基本計画で、基本的方向と具体的取り組みの政策領域Ⅰのトップに男性中心型労働慣行等の変革と女性の活躍があげられており、長時間労働削減があげられています。
第4回定例会の他会派の代表質問において、市長は「千葉市は全国初となる産官学によるイクボス共同宣言を行い、子育て家庭に優しく、働きやすい都市となることを目指している」と答弁されました。そこで伺います。人口ビジョンからも見えてきたように、千葉市在勤者が多いことから、市内勤務の父親の育児参加を促進するために、
市内企業において、育児時間取得推進、育児期の社員への定時帰社推奨など、会社の風土づくりを進めていくことを後押しする働きかけを具体的に行うことについてどう考えますか、見解を伺います。
(市民局生活文化スポーツ部男女共同参画課)
(市民局長答弁)
本市では、仕事と家庭の両立を支援する積極的な取組みを行っている事業者を登録する、男女共同参画推進事業者登録制度を平成23年度に開始し、現在、市内の事業者75社に参加いただいており、これらの事業者については、市ホームページや男女共同参画センターの情報誌などで取組みの内容などを紹介しています。
また、毎年、県と共催で企業の管理職や人事労務担当者などを対象に実施している「ワーク・ライフ・バランスセミナー」や、事業者向けの男女共同参画センターの出前講座などの取組みを充実させることで、仕事と生活が調和した誰もが働きやすい職場づくりについて、事業所への働きかけを行っており、今後も進めて参ります。
頂いた答弁からは、現状行っていることを引き続き同様の取り組みを行いますとのこと。
まったく積極性が感じられません。
イクボス宣言を行うだけにとどまらず、目に見える形で取り組むことを強く要望いたします。
次に育児休暇取得についてです。
昨年初めて「千葉市男性の育児休業取得促進奨励金」制度による支給第1号が決定したと報告がされました。その後、現在までに第1号を含め、3件の支給実績があるとのことですが、
制度開始後1年半以上経ってから、ようやく1件目の申請があったこの状況について、何が課題で、
どのように取得促進のための対応をしているのか、お聞かせください。
(市民局生活文化スポーツ部男女共同参画課)
(市民局長答弁)
本市では、仕事と家庭の両立を支援する積極的な取組みを行っている事業者を登録する、男女共同参画推進事業者登録制度を平成23年度に開始し、現在、市内の事業者75社に参加いただいており、これらの事業者については、市ホームページや男女共同参画センターの情報誌などで取組みの内容などを紹介しています。
また、毎年、県と共催で企業の管理職や人事労務担当者などを対象に実施している「ワーク・ライフ・バランスセミナー」や、事業者向けの男女共同参画センターの出前講座などの取組みを充実させることで、仕事と生活が調和した誰もが働きやすい職場づくりについて、事業所への働きかけを行っており、今後も進めて参ります。
様々な積極的な告知の対応後に取得が進んでいるとのことですので、引き続き制度の意義を含め、周知徹底を図り、本制度が活かされ、千葉市が育児のしやすい環境づくりに貢献していくことを望みます。
次は産後ケア事業について伺います。
2014年厚生労働省は従来の母子保健サービスに加え、いくつかの支援事業の実施について発表しました。その中に、産科医療機関の退院直後に母乳ケアや母子の心身のケア、育児のサポートなどを行う産後ケア事業があります。
そこで伺います。市内における民間の産後ケア事業について事業者数、ケアの内容、実施状況など把握されていますか?
(保健福祉局健康部健康支援課)
(保健福祉局次長答弁)
現在、産科医療機関3施設、助産院1施設で実施していることを把握しております。
内容としては、日帰りや宿泊での育児相談、授乳や沐浴の支援、乳房ケアなどと聞いております。
助産院では訪問での産後ケア支援もスタートされているそうです。すべての施設において、料金的な問題、認知度の低さによりなかなか利用が進まない状況ではありますが、
市としてこれらの資源を活用し、産後ケア事業についてどのように取り組んでいきますか?
(保健福祉局健康部健康支援課)
(保健福祉局次長答弁)
現在、4か月児健診の対象者に産後の支援に関するアンケートを実施しております。
その中で、不安や負担を感じた時期、希望する支援の内容等を尋ねており、その結果を基に、市内の産後ケア事業者との連携も含め、本市独自の産後ケアのあり方を検討して参ります。
対象者へのアンケート調査をしっかりと纏め、急ぎ体制につき検討を進めるようお願いします。
産前産後サポート事業について
千葉市では産前産後の女性を直接的にサポートする制度はどんなものがあるか。概要についてご説明ください。
(こども未来局こども未来部保育支援課)
(こども未来局長次長答弁)
妊娠中又は出産後4か月以内で、昼間、介助者のいない核家族世帯に、委託事業者からヘルパーを派遣し、家事及び育児に関するサービスを提供する「エンゼルヘルパー派遣事業」を実施しております。
エンゼルヘルパーの利用実数・一人当たりの利用回数、及び効果について利用者の声なども教えてください。
(こども未来局こども未来部保育支援課)
(こども未来局長次長答弁)
エンゼルヘルパーは、妊娠中又は産後4か月以内の母親が、1回2時間、20回まで、多胎の場合は、出産後1年以内に50回を限度に利用できます。
利用実績につきましては、
平成24年度は152人、年間利用状況は1,324回、
25年度は141人・1,223回、
26年度は137人・1,066回、
27年度は1月末時点で108人・888回
となっております。
また、26年度における1人あたりの利用回数は、5回までが53%、6回から10回までが20%、11回から15回までが8%、16回から20回までが18%となって おります。
利用者からは、
・「家事の援助を受ける間、ゆとりを持って子どもに接することができた。」
・「自分の時間を持つことができ、心の余裕ができた。」
・「ヘルパーによる掃除やおむつ交換などが丁寧で安心できた。」
などの声が寄せられております。
エンゼルヘルパーの事業費についても教えてください
(こども未来局こども未来部保育支援課)
(こども未来局長次長答弁)
事業者への委託料は、1回あたり2時間で4,060円であり、負担内訳は、利用者が1,650円、市が2,410円となっております。
また、エンゼルヘルパーの利用申込みから派遣までの調整業務を行う専門職員である「エンゼルヘルパーコーディネーター」の人件費として、平成28年度は303万3千円を予定しております。
頂いた数からは利用者数も総利用回数も減少傾向がみられます。利用者の評判が良いのにもったいないと思います。
エンゼルヘルパーの利用促進のためにどのような周知をしています?
(こども未来局こども未来部保育支援課)
(こども未来局長答弁)
「市政だより」や、妊娠・出産期の女性が目にする機会の多い「子育てナビ」等へ情報を掲載しているほか、区役所、保健福祉センターの窓口やイベント開催時のチラシ配布等により、周知を図っております。
7500人程度が産まれることから考えると、利用人数が150人としたら2%の利用率であり、限られた一部の人のみが利用しているもったいない状況であると考えます。今後は支援者への制度理解を更に深めてもらい、積極的に利用を進めて欲しいと思います。
エンゼルヘルパーについて一つ提案したいと考えます。
エンゼルヘルパーの無料利用券などを母子手帳別冊につけるとしたら、1回4000円×1年間に生まれる子どもの数が7500人として、想定利用率半数とした場合、またコーディネーター各区配置として3百万×6区分で予算33百万円程度で可能ではないでしょうか?
市としてエンゼルヘルパー事業にこうした予算をかけることについて見解を伺います。
(こども未来局こども未来部保育支援課)
(こども未来局長答弁)
無料利用券による利用者の増加により、事業者への派遣委託料やエンゼルヘルパーコーディネーターの増員による人件費の増額など、新たな財政負担が生じることから、実施は困難であると考えております。
今後、制度の周知を更に徹底することにより、真に援助を 必要としている世帯の利用につなげて参ります。
それでは利用促進に向けての努力をしっかりとお願いします。
(2回目)
稲毛区轟町の国有地利用について、2回目の質問をします。
1回目のご答弁では、今回の案件ではコミュニティカフェなど、地域と交流するためのスペースについて、市の整備計画上の位置づけはないとのことでした。
3事業において、それぞれの施設利用者や地域住民が日常的に利用できる交流スペースの設置を入札条件盛り込むことについて轟町の国有地利用に関する入札でどのように考えますか?各事業ごとに見解を伺います。
(保健福祉局高齢障害部高齢施設課)
(保健福祉局高齢障害部障害福祉サービス課)
(保健福祉局次長答弁)
これまで、「特別養護老人ホーム」や「障害福祉サービス事業所」を公募する際に、「地域交流のためのスペースの設置」を条件としておりませんが、運営事業者を選定する際には、「地域社会への貢献度」を審査項目の一つとしております。
これにより、実際には、殆どの施設で「地域交流スペース」又は「多目的室」を設置していることから、今回も公募の条件とする予定はありません。(こども未来局こども未来部保育支援課)
(こども未来局こども未来部保育運営課)
(保健福祉局高齢障害部高齢施設課)
(保健福祉局高齢障害部障害福祉サービス課)
(こども未来局長答弁)
保育所の公募の際には、地域交流スペースの設置を条件とする予定はありませんが、保育所は、地域との交流・連携に努める旨、運営基準や保育所保育指針に規定されていることから、隣接施設を含めた地域との交流・連携の実施を条件とする方向で検討 して参ります。
なお、隣接して保育所・高齢者施設・障害者施設が整備されることは、本市において初めてのケースであり、また、施設間の交流の機会は、児童・高齢者・障害者それぞれに有意義であると考えられるため、本市として、3事業者の打合せの場を設けるなど、連携体制の構築を促して参ります。